米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズは14日、2026年第2四半期(Q2)の仮想通貨市場レポートから特に重要と考える5つのチャートを引用し、「強気相場は至る所にある」との分析を示した。
同社のリサーチ部門責任者、ライアン・ラスムッセン氏はQ2を振り返り、収益力や実用性、機関投資家による採用など、仮想通貨のファンダメンタルズは力強く成長し、関連銘柄の株価も急騰した一方で、仮想通貨の価格自体は大半が下落したと指摘。明暗が混在する複雑な相場環境であったことから、データのより詳細な分析が必要だと述べた。
2026年上半期時点で、仮想通貨全体の価格は36%下落したが、主要資産クラスでは金(ゴールド)が7%下落した以外は、全ての資産がプラスのパフォーマンスを記録した。そのため「仮想通貨の冬」の過酷さがより一層際立つ結果となったとラスムッセンは説明した。
一方、仮想通貨関連企業の株式は同期間に23%のリターンを記録し、新興国株式を除く全資産クラスを上回った。仮想通貨エコシステムを支える上場企業30社で構成される関連株式指数「Bitwise Crypto Innovators 30 Index」のリターンは米国株式の2倍以上に達したという。
ラスムッセン氏は、この乖離の背景として、ビットコイン・マイニング企業がAIブームの恩恵を受けたことに加え、ステーブルコイン発行企業や現実資産(RWA)のトークン化関連企業が、ウォール街での採用拡大を追い風に急成長した点を挙げた。上半期の結果は「仮想通貨は単一の資産ではなく、多様でダイナミックな領域であることを改めて示した」と、同氏は締め括った。
ラスムッセン氏は強気相場を示している市場として、分散型金融(DeFi)アプリ、RWAのトークン化、予測市場をあげた。
上位10のDeFiアプリの合計収益は、過去12ヶ月で59億ドルに達した。中でも分散型取引所のPancakeSwap(約9.23億ドル)、デリバティブ取引所のHyperliquid(約9.12億ドル)、レンディングプロトコルのAave(約8.77億ドル)というトップ3は、それぞれ10億ドル近くの収益を上げている。同氏は、これらは実際に利益を生み出すビジネスであり、弱気相場でも高い収益性を維持していると評価した。
トークン化されたRWAの規模はQ2に過去最高となる330億ドルへ拡大した。米国債や社債、株式、ベンチャーキャピタル資産のトークン化が成長を牽引し、前四半期比12%増、年初比45%増となった。
ラスムッセン氏はこのチャートから「世界最大手の資産運用会社群が一斉に、フルスピードで資産のオンチェーン化を推し進めている」と分析している。
予測市場も急成長を遂げており、未決済建玉(OI)はQ2に18億ドルと過去最高を記録。四半期取引高も430億ドルに達し、過去最高を更新している。カテゴリー別ではスポーツ関連市場が最大となった。
同氏は、ポリマーケットなどの予測市場サービスは、ユーザーが仮想通貨を意識せずに利用している代表的な例だとの見方を示した。米中間選挙が近づくにつれ、今年さらに取引高やOIが過去最高記録を更新するだろうと予測している。
ビットワイズは、仮想通貨関連株式指数(Bitwise Crypto Innovators 30 Index)と主要資産クラスとの90日ローリング相関分析で、米国株と比較して、先進国株、新興国株、米国REIT、米国債、金との相関がいずれも低かったと指摘した(コモディティを除く)。つまり、2026年上半期において、仮想通貨関連株は米国株の2倍以上のリターンを上げながら、ポートフォリオ全体に対する分散効果も同時に提供した。
このような高いリターンと低相関の組み合わせは、投資家にとって非常に魅力的な特性であるとレポートは総括している。