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Robinhood Chainの現状──RWAチェーンと思いきや最初に走ったのはミームだった

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Robinhood Chainで、ミームコインが盛り上がっています。

Robinhoodは、米国を中心に展開する個人投資家向けの金融プラットフォームです。スマホから株式、ETF、オプション、暗号資産などを売買できるサービスとして知られ、特に手数料無料の株式取引を広げた存在として名前を聞いたことがある人も多いと思います。

そのRobinhoodが独自チェーンを出しました。それがRobinhood Chainです。

そして2026年7月1日、Robinhood Chainのパブリックメインネット、Stock Tokens(株式のRWA)、DeFi関連機能、AIエージェント向け機能をまとめて発表しました。Robinhood ChainはArbitrum Platformを使って構築されたEthereum Layer 2で、金融サービスとRWA、つまり現実資産のトークン化に向けたチェーンとして説明されています。

ここだけ聞くと「真面目な金融インフラが構築されていくんだな」と思いますよね

しかし、ローンチ直後に先に盛り上がったのはStock Tokensではなく、CASHCATを中心としたミームコインでした。しかもDefiLlamaによれば、日本時間2026年7月9日夜時点でRobinhood Chain全体の24時間DEX出来高は約4.33億ドルを記録しており、Solanaの約24.15億ドル、Baseの約8.15億ドルには届かないものの、Arbitrumの約1.34億ドルを上回っています。

今回は、このRobinhood Chainで何が起きているのかを見ていきます。

CASHCATが作った初速

Robinhood Chainの初速を作った代表格がCASHCATです。CASHCATは、Robinhoodの初期マスコットとされる「Cash Cat」を元にしたミームコインで、NOXA Fun上でもRobinhood Chainのミームとして扱われています。RobinhoodがRWAを前面に出してチェーンを公開した直後に、創業初期の名前を拾った猫のミームが走ったわけです。

CoinGeckoでは、CASHCATはRobinhood Chain上のミーム銘柄として掲載されています。記事執筆時点(2026年7月9日)では、CASHCATの時価総額は約9,365万ドル、24時間出来高は約5,401万ドルと驚異的な数字を示しています。

この数字は、単にSNSで名前が出ているだけの状態ではありません。多くの人々がRobinhood Chainにウォレットをつなぎ、Uniswapで売買し、ミームをきっかけに新しいチェーンを触っているということを示しています。Stock TokensやRWAの説明を読む前に、CASHCATがRobinhood Chainの最初の接触点になった人もいるかもしれません。

この流れには、Robinhood CEOのVlad Tenev氏も触れています。The Defiantによれば、Tenev氏はXで 「Robinhood ChainはRWAのために作っているがミームにもよく機能する」 と投稿しました。RWAを掲げるチェーンで、創業者自身がミームにも反応したことで、CASHCAT周辺の熱はさらに広がりました。

もちろんミームだけではない

CASHCATや一連の流れを見ると、Robinhood Chainはミームチェーンのように見えてしまうかもしれません。ただ、実際にはその周辺で、発行、取引、AI、予測市場の導線が一気に集まり始めています。

Solanaで有名なPump.funも入ってきています。The Defiantによれば、Pump.funはRobinhood Chain関連トークンの取引に対応し、アプリ上でRobinhood Chainのトークンをブリッジなしで売買できる導線を作りました。Solana側のユーザーが、SOLを使ってRobinhood Chain関連トークンへアクセスできるようになったことで、CASHCATのようなミームに触れる入口がさらに広がっています。

Baseで注目されているBankrもRobinhood Chainに対応し始めました。Bankrのドキュメントでは、BaseまたはRobinhood Chainにトークンを発行でき、chainにrobinhoodを指定するだけでRobinhood Chain上に簡単にデプロイできると説明されています。これは、ミームやAIエージェント由来のトークンが、BaseだけでなくRobinhood Chainにも出てくるための発行口になります。

取引インフラ側ではArcusもきています。dYdX LabsとRobinhood Cryptoが共同で立ち上げたDEXで、トークン化株式とパーペチュアルをRobinhood Chain上で取引するために設計されています。Robinhood公式発表でも、Stock Tokensの取引導線としてUniswap、Rialto、Lighter、Arcus、1inchが挙げられており、単にチェーンを作っただけではなく、売買の場所まで同時にそろえにいっていることがわかります。

さらにVirtualもAIエージェントの文脈でRobinhood Chainとつながっています。TradingViewは、Robinhood ChainがVirtualsのAIエージェント基盤を統合し、ユーザーがトークン化市場でエージェントを作成、資金投入、所有、利用できるようになると伝えています。World.xyzについても、SolanaからRobinhood Chainへ移行すると報じられており、予測市場までRobinhood Chain側に寄ってきています。

こうして見ると、Robinhood Chainで起きていることは「CASHCATが跳ねた」だけではありません。ミームで人と資金が集まりつつある中、並行して発行ツール、DEX、パーペチュアル、AIエージェント、予測市場のプロジェクトが並び始めています。RWAチェーンの看板とは別に、オンチェーン市場の初期に必要な部品が短い期間で集まってきていることは、いかに注目されているかが伺えるかと思います。

Baseに似ているが、出発点が違う

Robinhood Chainを考えるとき、比較対象として近いのはBaseです。BaseはCoinbaseが発表したEthereum Layer 2で、Coinbaseは次の10億人をWeb3へ連れてくることを掲げていました。 大きな既存ユーザー導線を持つ企業が、自分たちのオンチェーン市場を持つという構図はRobinhood Chainと重なります。

ただ、BaseとRobinhood Chainでは持ち込むものが違います。Baseは、Coinbaseの暗号資産ユーザーをDeFi、NFT、ミーム、ソーシャルアプリ、決済などへ広げるチェーンでした。暗号資産取引所の内側にいるユーザーを、より広いオンチェーンアプリへ連れていく流れです。

Robinhood Chainは、証券アプリ側からオンチェーンに入ってきています。Robinhoodは株式、ETF、オプション、暗号資産を扱う金融プラットフォームであり、その延長線上にL2を置きました。だから最初からStock Tokens、RWA、パーペチュアル、レンディング、AIエージェントが並んでいます。
Baseが「暗号資産取引所からオンチェーンアプリへ」だとすれば、Robinhood Chainは「証券アプリの取引体験からオンチェーン金融へ」です。CASHCATが先に走ったことでミーム色が強く見えますが、チェーンの設計自体はかなり金融寄りに見えます。

ミームで集まった熱はどこへ流れるのか

新しいチェーンでは、最初の入口が本命とは限りません。SolanaでもBaseでも、ミームやNFT、エアドロップ期待が先に人を連れてきて、そのあとにDEX、ウォレット、レンディング、決済、ゲーム、ソーシャルアプリへと広がる流れがありました。Robinhood Chainも、RWAを掲げて出てきたチェーンでありながら、最初の流動性をCASHCATが作っている段階であるともいえます。

ここから先に見たいのは、猫で集まった熱が猫のまま終わるのか、それともRobinhood Chain上の金融アプリに残るのかです。CASHCATでRobinhood Chainを知った人が、Bankrでトークンを作るのか、ArcusやLighterでパーペチュアルを触るのか、VirtualsのAIエージェントやWorld.xyzの予測市場に流れるのか。ここで、Robinhood Chainの見え方は変わります。

Stock Tokensについては一つだけ整理しておきます。Robinhood Chainのドキュメントでは、Stock TokensはRobinhood Assets Jersey Limitedが発行するtokenised debt securitiesであり、原資産となる株式やETFへの経済的エクスポージャーを提供する一方、その原資産に対する法的権利や受益権を与えるものではないと説明されています。つまり、Apple株やNVIDIA株そのものがウォレットに入るわけではありません。

それでも、RWAチェーンとして出てきたRobinhood Chainで、最初のドアを開けたのがStock Tokensではなくミームだったことは見逃せません。 真面目な金融インフラだけでは、最初のユーザーは動きにくい。 CASHCATは、その硬い入口をミームの持つ力でユニークにこじ開けたともいえます。

次に見るべきなのは、CASHCATがいくらになったかだけではありません。CASHCATで集まった出来高が、Robinhood Chain上のRWAや取引インフラに残るかです。Robinhood Chainは、ミームが作った熱を、オンチェーン金融の導線に変えられるかという一点から今後も注視すると、おもしろい事例になれるかもしれません。

※CASHCATを含むミームコインは価格変動が大きく、Stock Tokensも株式そのものではなく、発行体や対象地域、権利設計などの条件があります。本記事は公開情報をもとに暗号資産・ブロックチェーン関連ニュースを整理した一般的な情報提供であり、特定の暗号資産の売買を推奨するものではありません。また、本記事で紹介したチェーン上の機能や外部サービスには、日本居住者からのアクセスが制限されている、または国内法上の登録等を受けていないものが含まれます。Web3動向を伝える解説記事としてお読みください。


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