米暗号資産(仮想通貨)・株式投資大手「ロビンフッド」のウラジミール・テネフCEOは2日、米CNBCのインタビューで、「仮想通貨の未来は現実資産(RWA)のトークン化にある」との見解を示した。「実用性に裏付けられていない資産は生産的とは言えない」と述べ、次々とミームコインを生み出すよりも、現実資産のトークン化こそが今後の仮想通貨市場の成長を牽引する原動力となると語った。
テネフ氏は「仮想通貨は金融市場、中でも現実世界資産を支えるインフラへと進化している」と指摘。現在、伝統的な金融システム上で取引されているあらゆる資産は、最終的にオンチェーンでトークン化されると見ており、ロビンフッドも株式、先物、未公開株(プライベート資産)など金融資産のトークン化に注力していると述べた。
同氏は、トークン化の流れを「誰にも止めることのできない列車」にたとえ、仮想通貨と伝統的金融の融合は、今後ますます加速していくと強調。以下のようにまとめた。
ロビンフッドは1日、ロンドンで開催された大規模イベント「The World is Flat」で、製品の大規模アップデートを発表した。最大の注目ポイントの一つが「Stock Tokens(トークン化株式)」のグローバル展開であり、それを可能にする「ロビンフッドチェーン」のメインネット正式ローンチだ。
トークン化株式は、ロビンフッドウォレットを通じて120カ国超で利用可能で、ユニスワップなど複数の分散型取引所で現物取引ができる。ただし当面の間、米国では利用不可で、カナダ・英国・スイス・UAE・制裁対象地域などでは利用制限の対象となる。
トークン化株式は自社開発のロビンフッドチェーン上で展開される。同チェーンは、アービトラムのオービット技術を基盤とするイーサリアムレイヤー2ネットワークで、今年2月にテストネットを公開していた。パーミッションレスかつAIネイティブな設計となっており、AIエージェントによるチェーン上の直接取引が可能だという。また、現実資産に特化して設計されたとロビンフッドは説明している。
ただし、トークン化株式はロビンフッド・アセットが発行するトークン化された債務証券であり、原資産となる株式への経済的エクスポージャーを提供するが、原資産株式に関する法的権利や実質的な権利を付与するものではない。
テネフ氏は、トークン化により現実資産を細分化して取引可能になることで、これまで手が届きにくかった個人投資家にも機会が広がると指摘し、「投資の民主化」が始まると主張してきた。今回のインタビューでも、同氏はロビンフッドのミッションとして「所有すること」の重要性を改めて強調するとともに、株式や現実資産における「所有の分散化」を進めることで、「安定し、自由で、繁栄する社会」を築けるとの信念を語った。
今回のインタビューでテネフ氏は、AIエージェントが近い将来、人間のトレーダーと同等の能力を持つようになるとの見通しを示した。
「エージェント型AIによる取引の究極形は、人間が実行できるあらゆる取引をAIエージェントが代行できるようにすることだ」と説明。機関投資家によるプログラム取引では、すでに多くの売買が自動化されAIによって駆動している一方、その高度な取引技術は個人投資家には開放されてこなかったと指摘した。
その上で、「ロビンフッドの目標は、個人投資家にも高頻度取引を行う機関投資家と同等のツールや計算能力、取引能力を提供することだ」と言及。これは同社がミッションとして掲げる「全ての人に対する金融の民主化」をAIの領域へと拡張する新たな試みでもある。
ロビンフッドは今年5月、ユーザーが外部のAIエージェントを自身の口座に接続し、自動取引を実行できる「自律型AI取引機能を発表している。

