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ヴィタリック「今後2年は勝つことより生き残りが重要」、取引所にセキュリティ強化を促す

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イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は4日、インドの金融メディア「マネーコントロール(Moneycontrol)」との独占インタビューで、仮想通貨取引所に「今後2年は市場シェアの獲得ではなく、生き残りを最優先すべきだ」と呼びかけた。

最大手バイナンスがハッキング被害に遭ったことで、業界では「生き残り」の重要性が認識され始めているという。各社が自らの「バンカーモード」(防衛体制)は何かを模索している段階だと、同氏は語った。

過去1年半の大規模なハッキングでは、攻撃の多くがスマートコントラクト自体ではなく、ユーザーインターフェースや中央集権的なインフラを狙ったものだったと同氏は指摘する。これはイーサリアムの基盤技術が安全になっている表れでもあり、「高いセキュリティを確保できる中核部分の範囲」は着実に広がっているとの見方を示した。

同氏は、オンチェーンでスマートコントラクトを活用すれば極めて高い安全性を確保できると説明。バイナンスが「バイナンス・スマートチェーン(現BNB Chain)」を立ち上げたのは賢明な判断だったと評価し、こうした動きは今後さらに加速するだろうとの見通しを示した。

北朝鮮のハッカーによる遠隔攻撃への対応を問われると、「安全なシステムを作るしかない」と答えた。ただ、セキュリティを重視しない側が、AIなどで得た余力をより危うい行動に使ってしまう点が難しいと付け加えた。

被害がさらに深刻になれば、規制当局が取引所等に厳格なセキュリティ義務を課す可能性もあるという。盗まれた資金が北朝鮮に渡った場合、「極端な見方をすれば、北朝鮮への寄付に相当する」と警告した。今後は当局からの圧力が強まると見ており、業界全体がその要求に対応しようとしているとも述べた。

最終的には、ユーザー自身がセキュリティ対策を意識的に行うことが不可欠だと主張。具体策として、マルチシグ(多重署名)での資金管理を推奨した。

今後10年のイーサリアムの展望を問われたブテリン氏は、まず「リーン・イーサリアム(Lean Ethereum)」と呼ばれる一連のアップグレード構想を挙げた。

同構想は、ゼロ知識証明(ZK)に加え、AIや形式検証(Formal Verification)などの技術を活用するもの。分散性と安全性を保ちながら、処理性能と機能を大きく高めることを目指す。

なかでもAIと形式検証は重要だと同氏は話す。「従来なら20年かかる規模の開発作業も、AIを活用すればはるかに短期間で進められる」という。AIはコードやアルゴリズムの開発にとどまらず、その安全性や整合性の検証にも役立つとした。

レイヤー2(L2)については、単にイーサリアムを模倣して処理能力を広げるだけでは足りないと指摘。L1にはできない独自の機能や価値を提供するべきだとし、高性能DeFi(分散型金融)、プライバシー保護、企業向けのユースケースを例に挙げた。

具体例として、高性能DeFiでは「Lighter」、プライバシー分野では「Aztec」や「INTMAX」に言及した。企業向けでは、サプライチェーン、医療、製造などでのデータ管理にブロックチェーンを使う案を示した。

この仕組みでは、企業が自社サーバーで管理するデータそのものはオンチェーンに保存しない。記録するのはデータのハッシュ値と「ルールどおりにデータが更新された」ことを示す証明情報だけだ。企業のデータプライバシーを守りつつ、業務の透明性とユーザーへの安心感を高める可能性があるという。

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