ビットコイン( BTC )は日本時間5日夜、8万800ドル超から一時7万5,642ドルまで下落し、米中間選挙後に回復した上昇分を消した。イーサリアムは前日比-7.7%だった。
背景には、中間選挙で民主党が上下両院を制し、AI産業への規制強化やデータセンターの建設遅れへの懸念が広がったことがある。民主党は、仮想通貨関連事業を含むトランプ大統領一族の事業取引の調査も計画している。
議会では、民主党のヤッサミン・アンサリ下院議員が、議会初日からAI開発の一時停止、業界の規制、人工超知能の禁止を最優先課題にすべきだと主張し、無所属のバーニー・サンダース上院議員も国家規模のデータセンター建設の一時停止を求めている。
同じ時間帯の米株式市場でも、クアルコムが弱い業績見通しを示したことも重なって半導体株を中心に売りが広がり、フィラデルフィア半導体株指数は一時10%下落した。S&P500種は4.3%、ナスダック100は6.3%下落して取引を終え、ナスダック総合指数は先月の最高値から10%超低い水準となった。
中間選挙後の上昇率として44年ぶりの大きさとなった前日の上げが1日で消え、米株の時価総額は約3兆ドル減った。AI大手ではエヌビディアが9.0%、マイクロソフトが3.5%、グーグル親会社のアルファベットが2.3%下落し、データセンター関連のアイレンが16.0%、ネビウスが15.1%、サイファー・マイニングが14.6%とさらに大きく下げたという。
仮想通貨関連株にも売りが波及し、AI向け計算事業への転換を進めるマイニング企業のキール・インフラストラクチャーとビットディアは約20%、コインベースとビットコインを大量保有するストラテジーは約10%安となった。
海外報道によると、機関投資家向け仮想通貨ブローカー、ファルコンエックスのジョシュア・リム氏は、データセンターの建設が遅れる見通しが意識され、新たな売りが出ていると分析した。
今回の売りでは、コイングラスによると24時間の強制清算額が少なくとも10月下旬以来の規模となる10億3,000万ドル(1,625億円)に達し、19万8,192人の投資家が影響を受けた。
先行きについては、大手仮想通貨マーケットメイカーのウィンターミュートが、下落が続く場合の下値の節目として7万3,000ドルと6万8,000ドルを挙げ、8万ドルを明確に回復して維持するまで強気には転じないとしている。同社の相対取引担当トレーダー、ヤスパー・デ・メール氏は、仮想通貨はAI株の急落の中でも比較的底堅く、中期の見通しは前向きだとの見方を示した。


