オンチェーン分析企業グラスノードは4日、週間市場レポートを発表。ビットコイン( BTC )は9月高値から約10%調整したが、これは過熱が解消された健全なリセットだと分析した。バイナンスからの不正流出や米中間選挙についても言及した。
10月初旬には短期保有者(過去155日以内に購入した投資家)が保有するビットコインの97.5%以上が含み益の状態だったが、現在は約38%へと下落している。グラスノードは、ビットコインが価格を維持したままこの割合が50%を超えるようになれば、最近の購入者が再び利益を得て、自信を取り戻しつつあることを示すと述べた。
今回の調整により、8月以降に積み上がったロングポジションのレバレッジの多くが解消されている。グラスノードは、これにより強制清算が連鎖的に発生するリスクは低下していると分析した。
現在の価格より下には、7万3,000ドルから7万6,000ドルの帯域にロングポジションの強制清算が集中している。まとまった強制売りが出る可能性のある水準だ。短期保有者の平均取得単価や200日移動平均線とも重なっている。
一方で、現在の価格水準の上位には特に8万7,000ドル付近に清算水準を持つショートポジションが蓄積されている状況だ。もし価格が上昇に転じれば、これらのショートポジションは買い戻しを余儀なくされ、それがさらなる上昇の原動力となる可能性がある。
バイナンスに対するハッキングは暗号資産(仮想通貨)の歴史上最大規模となり63億ドル相当が流出した。グラスノードは、ビットコインはその後数日間で約3%下落したが、現在は資金流出が始まった時点に近い価格まで回復していると指摘した。
また、これほど深刻なニュースに対して反応が限定的であることは、強さの表れと言えると続けた。ただし、ビットコイン現物ETFの資金フローからは「仮想通貨市場外からの新たな需要」が不足していることに変わりはないとも述べる。仮にそうした需要が戻ってくれば、これほどの規模のショックを吸収した市場は、素早く上昇に転じる余地があるとも意見した。
グラスノードによると、5月以降、ETFの1日あたりの取引高は約13億ドルで推移しており、これはそれ以前の数か月間と比べて約3分の1の水準だ。
グラスノードは、民主党が下院・上院の双方で勝利を収めた11月3日の米国中間選挙にも触れた。過去3回の中間選挙では、いずれも選挙後にビットコインは下落し、投票日から2〜10週間のうちに15%から50%の下げを記録していた。
今回は下落の大部分が投票前までに発生しており、ビットコインは9月の高値から選挙当日までに約11%下落し、選挙後には約1.5%上昇している。
グラスノードは、長期的な視点で見れば、仮想通貨業界は民主党主導の議会に適応していく必要があるだろうと述べた。一方で、過去のサイクルと比較すると、現在のビットコインは従来型金融システムに深く組み込まれている点には留意が必要だとも指摘する。
銀行や資産運用会社、ETFがビットコインに参入しているため、米政府や当局の状況に変化があることによるリスクは、数年前と比べて小さくなっていると続けた。また、過去の下落についても、3回の選挙のみを対象としたデータであり、サンプル数としては少ないとしている。


