ドキュメント作成・公開サービスのGitBookは中央ヨーロッパ時間3日、AIエージェントを使った標的型の攻撃を受け、インフラの認証情報の一部に不正アクセスされたと公表した。同社は全顧客のAPIトークンを無効化し、利用者に認証情報の再発行を求めている。
GitBookは、ソフトウェア製品の技術文書や開発者向けガイドを作成・公開するサービスだ。ブロックチェーン関連プロジェクトの多くが、ホワイトペーパーや利用手順の公開に使っている。
同社によると、攻撃者は中央ヨーロッパ時間2日19時(日本時間3日午前3時)にインフラの認証情報を入手した。同社は直後に攻撃を検知して遮断。安全確認のため、アプリと認証付きのドキュメントサイトを停止した。一般公開のドキュメントは、キャッシュを使って可能な限り表示を続けたという。
攻撃者がアクセスした可能性があるのは、外部サービスとの連携に使うトークン、Gitリポジトリとの同期機能「Git Sync」のシークレット、APIトークン、サイト訪問者がAIアシスタント機能に入力した質問の4種類だ。ホストされているコンテンツが改ざんされた証拠は、現時点で見つかっていない。
GitBookはインフラ全体の認証情報とシークレットを入れ替えた。利用者にはGitBookのAPIトークンと連携先サービスのシークレットの再発行を求めたほか、AIツールとの接続規格MCPに対応した同社サーバーを使う場合は再認証が必要だとした。日本時間4日未明の更新では、アプリとAPI、公開ドキュメントの利用を再開したが、一部サービスで性能低下が残る可能性があるとしている。
GitBookを利用する仮想通貨プロジェクトにも影響が及んだ。DEXのパンケーキスワップ(PancakeSwap)は3日、GitBook上のドキュメントに関するセキュリティ事案を把握したとして、ドキュメントを一時的に非公開にした。同社のドキュメントとアプリ自体は侵害されていないと説明している。
パンケーキスワップは同日中に、自社が管理するインフラへドキュメントを移して公開を再開した。利用者に対しては、ドキュメントがウォレットの接続やトークンの承認を求めることはないと注意を促した。GitBookは追加攻撃への監視を続けており、詳細な事後報告書を近く公開する予定だ。


