決済大手ビザ(Visa)と暗号資産(仮想通貨)運用会社コインシェアーズは5日、それぞれステーブルコインやデジタル資産に関する消費者・富裕層投資家の意識調査を発表した。
ビザは、アジア太平洋地域で消費者の意識調査を行い、ステーブルコインの認知度や利用意向、不安要因を分析している。日常の決済、旅行、国際送金といった実用的な用途への関心が高まっている一方で、理解不足や信頼性への懸念が普及のハードルになっていることが分かった。
今後5年以内にステーブルコインを使う可能性が高いと答えた者は46%に達しており、過去12か月に実際に利用した者は16%だった。また、関心は日常のオンラインショッピング、旅行中の支出、海外での買い物にまでおよんでおり、投資や仮想通貨取引以外の用途での活用が期待されている格好だ。
一方で、ステーブルコインの存在を知っている消費者の49%が、「他の仮想通貨との売買にしか使えない」と回答、41%が「ステーブルコインの価値は常に上昇する」と誤解しているなどの認識不足があることも明らかになった。
さらに、ステーブルコインを知ってはいるものの利用したことがない層のうち、38%が詐欺への懸念を挙げ、36%が理解不足を理由に挙げている。
ビザは、消費者のステーブルコインへの関心を日常的な実用性へとつなげるには、信頼性が高く、馴染みがあり、規制に準拠した決済体験を提供する必要があるとした。ステーブルコインをより理解しやすく、使いやすいものにする必要があるとも続けた。
今回の調査は2026年6月から7月にかけて、中国、台湾、香港、日本、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、オーストラリア、ニュージーランドという14市場を対象に行われたものだ。回答者は18歳から65歳までの消費者14,250人である。
コインシェアーズは5日、米国と欧州6か国の富裕層投資家2,230人を対象とした調査報告書を発表した。対象は米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、スイスで、投資可能資産50万ドル(約7,900万円)以上、直近12か月に投資取引をした者が条件だ。調査会社ヴァルダクソグルー・アドバイザリー(Vardaxoglou Advisory)と共同で、5月11日〜6月5日にオンライン調査を行っている。
デジタル資産の保有率は全7市場で50%以上に達しており、特に米国、英国、ドイツ、スイスは約70%と割合が大きかった。平均配分比率はポートフォリオの約10%で、これはプライベートエクイティや不動産に匹敵する配分水準だ。
短期トレーダーを主な属性とする人は6%にとどまり、長期的な視点を持つ投資家層が多いことが示唆されている。
今年2月の市場急落は、全7市場で投資意欲をむしろ高める結果になっていたことにも注目される。調査対象の7市場すべてにおいて、2月の市場低迷を受けて投資意欲が「低下した」と答えた人よりも「高まった」と答えた人の方が多く、特にドイツではその傾向が顕著で、54%対23%だった。
さらに、規制強化を支持する投資家は79%に上った。米国政府による仮想通貨推進策は各国ごとに68〜79%の投資家の意欲を高め、EU(欧州連合)のMiCA規制の49〜65%を上回った。トランプ大統領個人の支持表明も平均57%の意欲を高めたが、政権による制度面の政策シグナルのほうが、すべての市場でより大きな効果を持っていた。


