イーサリアム財団は1日、AI(人工知能)サービスなどのAPI利用料をゼロ知識証明を用いて匿名で支払える技術「zkAPI」をイーサリアム( ETH )メインネットで稼働させたと発表した。同財団公式ブログによると、プライバシー技術開発を手がけるオープンアノニミティプロジェクトと共同で構築したという。
利用者はETHやUSDCを預け入れ用のスマートコントラクトへあらかじめ入金し、取引の中身を明かさずに正しさだけを証明する「ゼロ知識証明」によって残高の保有を示すことで、身元を明かさずに決済を完了できる。サーバー側は証明の真偽のみを確認して短時間だけ有効なAPIキーを発行する仕組みで、決済層とAPI提供者のいずれも請求内容と利用者の身元を結び付けられない。
同システムは、研究者のダヴィデ・クラピス氏とイーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が共同で執筆した設計案を基にしており、イーサリアムリサーチのフォーラムで公開されていたという。
これまでのAPI決済は利用履歴が支払いアカウントに紐づくため、AIサービスでは入力内容の記録が事業者側に蓄積されるという課題があったとしている。
公式ブログは、同一の固定IPアドレスから利用を続けた場合にゲートウェイ側がリクエストの傾向を関連付けられる可能性があると説明した。より高い匿名性を求める利用者には、セッションごとに新たな回線を使うTor(匿名化通信網)の利用を勧めるとしている。
同一の個人情報や文章の癖、過去の会話履歴を繰り返し示した場合には、AI提供事業者側でセッション同士が結び付けられる恐れがあるという。単独でのやり取りほど匿名性は高まる一方、過去の文脈を踏まえた返答は得にくくなるという兼ね合いがあるとしている。
同チームは、手動入力に代えてローカルまたは機密計算環境のモデルに下書きさせる手法を軽減策の一つに挙げると述べた。


