ビザは8日、ステーブルコインに連動したカード決済の決済処理量(処理額)が年換算200億ドル規模に達し、前年比で15倍以上に拡大したと発表した。同社の2026会計年度第2四半期には、世界で160以上のプログラムが稼働し、決済処理量は前年比で約200%増加した。
各カードプログラムはカード保有者からの回収前に日次の決済義務を履行する必要があり、その運転資金の確保が新規プログラムの立ち上げを左右するという。特に立ち上げ初期のプログラムは週末・祝日を含め毎日決済を行いながら数百万ドル規模の資金を日次で借入・返済する必要がある一方、審査に足る実績データも乏しく、従来型の与信枠では採算に合いにくいとビザは説明した。
ビザはオンチェーン与信インフラを手がけるクレジット・クープと共同で、日次の決済義務を賄うステーブルコイン建てのリボルビング与信枠を構築した。決済債権はクレジット・クープのスマートコントラクト「スピゴット」を経由して借り手の口座に入金される仕組みで、返済も自動的に実行されるという。
クレジット・クープはビザに登録された外部データ提供者として、各プログラムの承認を得た上で日次のビザ決済ファイルを直接取得し、オンチェーンの返済履歴とあわせて与信審査に活用している。データの精度向上を受け、参加プログラムの調達コストは最大30%低下したという。
2023年8月以降、ビザ加盟の発行体であるレインは、クレジット・クープのリボルビング与信枠を通じて日次の決済義務を賄っており、これまでに約20億ドル規模の決済処理量を調達し、デフォルト(債務不履行)はゼロだという。レインの発行体基盤上で旅行者向けプレミアムカードを展開するカルタは2026年6月、シリーズAで1,500万ドル、機関投資家向け与信枠で1億2,500万ドルを含む総額1億4,000万ドルの資金調達を発表した。
クレジット・クープはプラットフォーム全体でこれまでに25億ドル超の処理量を融資し、オンチェーンでの借入・返済イベントは1万2,000件を超え、デフォルトはゼロを維持しているという。日次決済データを直接活用し、必要な純額のみを即日で送金する「ジャストインタイム型」の資金供給モデルが新たに可能になるとしている。


