米OCC(通貨監督庁)のジョナサン・グールド長官は20日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された「ワイオミング・ブロックチェーン・シンポジウム」の対談形式のセッションに出席し、トランプ政権下でデジタル資産関連の事業計画を含む新設銀行免許申請が全体の約6割を占めていると明らかにした。
OCCは米財務省傘下で国法銀行の免許認可や監督を担う連邦機関で、1863年に銀行券の健全性確保を目的に設立された。
同氏によると、トランプ政権発足から約18カ月間で新設銀行免許の申請は40件に達し、うち23件の事業計画に仮想通貨関連の取り組みが含まれていた。この件数は、バイデン政権時代の4年間と比べて8倍に増加したという。
審査を控える申請案件でも、決済用ステーブルコインを事業計画に組み込む動きが一般的になってきていると同氏は述べた。
OCCはジーニアス法が成立する前から、同法に基づく規則の策定作業に着手していたという。同法は2025年7月にトランプ大統領の署名を経て成立し、ステーブルコイン発行体に米ドルなど流動性の高い資産による全額の裏付けを義務付けている。
市場価値が500億ドルを超える発行体には年次監査を義務付け、海外発行体の取り扱いに関する指針も定めている。OCCを含む複数の当局は当初、規則を7月までに最終化するよう求められていたが、この期限は守られなかった。
OCCは2月、資本・流動性要件を含む監督権限の範囲を明確化する規則案について意見公募を実施した経緯がある。
同氏は、11月までに最終規則を公表し、来年から申請の受け付けを開始できる見通しだと説明した。ジーニアス法の適用開始は2027年1月に予定されている。
また、同氏はステーブルコインについて「新たな産業の誕生に立ち会っている」と語った。
その上で、OCCが1860年代の設立当初から国法銀行券を裏付ける資産の質の確保を任務としてきた経緯を踏まえ、この役割は今の決済用ステーブルコインの監督とも通じると語った。
一方、ジーニアス法の成立後、議員らは仮想通貨業界全体を包括的に規律するクラリティー法の制定に軸足を移したが、トランプ氏の利益相反問題やステーブルコイン報酬の扱いを巡る調整が難航し、今年中の成立は困難な情勢となっている。
同氏は「クラリティー法がいつ、あるいはどのような形で成立するかは分からない。今あるのはジーニアス法であり、これを実行していく必要がある」と強調した。
