米国と英国の財務省による「将来の市場に関する大西洋横断タスクフォース」は14日、資産トークン化やステーブルコイン、資本市場に関する提言を発表した。
このタスクフォースは2025年9月に、スコット・ベッセント米財務長官とレイチェル・リーブス英財務相によって設立されたものだ。世界の金融センターである米国と英国の二国間協力を強化し、資本市場とデジタル資産のイノベーションにおける主導的地位を推進することを目的としている。
トークン化などについては今回は、主に以下の項目を両国の財務省に勧告した。
官民連携グループについては、トークン化資産のクロスボーダー活用事例に関する実証実験とベストプラクティスの共有を行う民間主導のグループを設置し、1年間を期限として業界と最適な組織構造について協議することを推奨した。
規制アプローチ共通化については、イングランド銀行、英金融行動監視機構(FCA)、米商品先物取引委員会(CFTC)、米証券取引委員会(SEC)などの当局に対し、トークン化資産の取り扱いに関する共通方針を策定するよう求めている。
例としては、トークン化証券取引における決済の確定、中央清算機関における証拠金担保としてのステーブルコインおよびトークン化マネーマーケットファンド(MMF)の適格性や利用可能性といった分野を挙げた。
デジタル資産およびトークン化の市場発展を支援するために必要な規制上の明確性を適切なタイミングで提供するために、必要に応じて柔軟な規制メカニズムの活用を拡大することも検討するとしている。
また、政策枠組みについては、ステーブルコイン、トークン化預金など複数のデジタルマネーが共存する「マルチマネー・エコシステム」を支える堅牢な政策枠組みを作成することを挙げた。
「将来の市場に関する大西洋横断タスクフォース」は同14日、ステーブルコインに対する共同声明も発表。適切に規制されたステーブルコインは金融システムの効率性・競争性の向上、金融市場インフラの近代化、クロスボーダー決済の改善に役立つとの認識を示した。
また、「マネー」として扱われるステーブルコインは、少なくとも1対1で高品質な流動資産により完全に裏付けられるべきとしている。一方で、商業的実行可能性を損ない、競争を阻害するような過度な準備金要件は課さないと述べた。
その他に、明確で一貫した規制の整備や、規制されたステーブルコインの決済・清算・トークン化金融市場への統合を支援すること、片方の国で発行されたステーブルコインが他方の市場にアクセスできる明確な道筋を模索することなどを挙げている。
今回の提言や共同声明には法的拘束力はないが、米国と英国がデジタル資産を推進する規制で足並みを揃えていくことを示すものとなった。

