ロシアの金融監視庁(ロスフィンモニトリング)が、外国貿易に関わる仮想通貨取引を監視する権限を得る方針であることが分かった。ロシアの通信社インターファクスの報道をコメルサントが伝えたところによると、デジタル通貨・デジタル権利法への改正案に基づき、100万ルーブル超(約212万円、1ルーブル=約2.12円換算)の取引情報が自動的に同庁へ送付される仕組みが導入される。
改正案の起草者は、6万ルーブル超(約12.7万円)の仮想通貨取引についても、デジタル預託機関への情報提供を義務化するよう提案している。届け出対象には支払人の氏名、住所、生年月日および法人情報が含まれるという。
今回の改正案では、中央銀行が特定の仮想通貨取引を禁止できる権限の拡大も提案されている。現行制度では非信用系金融機関の取引のみが対象だが、改正案では銀行も対象に加える方向で検討されているとみられる。
ロシア中央銀行第一副総裁のヴラジーミル・チスチュヒン氏によれば、法案が成立した場合、新規則は9月1日付で施行される可能性がある。
今回の措置は、9月から10月にかけて予定されるデジタルルーブルの導入を控えたタイミングで進められている。金融市場の専門家は、仮想通貨への資金流入を可視化することで資本の流出を防ぎ、通貨政策の実効性を高める狙いがあるとの見方を示している。
ロシアでは2024年以降、仮想通貨を国際契約の決済手段として認めるなど段階的な規制整備が進んでいる。FATF(金融活動作業部会)基準への対応を意識した規制強化との指摘も出ており、7月8日には仮想通貨の違法な取引に最長7年の禁錮刑を科す法案が国家院で第1読会を通過している。