米金融大手のビーエヌワイ(BNY)は29日、サークル・インターネット・グループ(Circle Internet Group)との連携拡大を発表した。サークルが発行するステーブルコインのUSDCを、ビーエヌワイのデジタル資産カストディプラットフォームに初めて統合するという。
今回の統合により、ビーエヌワイのクライアントはデジタル資産カストディウォレット内でUSDCを保管・送受信できるほか、ビーエヌワイを通じてサークルに指示し、米ドルをUSDCに変換(ミント)、またはUSDCを米ドルに償還(バーン)することが可能になる。米ドルと仮想通貨の双方向の管理を単一の機関向けフレームワーク内で完結できる体制を整えた。
ビーエヌワイはすでにUSDCの準備金を管理する主要カストディアンを務めている。今回の統合はその役割をさらに拡張し、準備金管理にとどまらないUSDCの全ライフサイクル対応への移行を意味する。
ビーエヌワイはこれに先立つ今年1月、機関投資家向けにトークン化預金サービスの提供も開始している。同サービスは顧客の要求払預金請求権をブロックチェーン上のデジタル台帳エントリーとして表現するもので、担保管理や証拠金取引での活用を想定している。トークン化預金はステーブルコインとは異なり、発行銀行の直接的な利息付き負債として位置づけられる。
トークン化預金サービスの初期クライアントにはインターコンチネンタル取引所、シタデル・セキュリティーズ、DRWホールディングス、リップル・プライム、ベイリー・ギフォード、サークルが含まれる。リップルは同サービスの早期採用者として、ステーブルコインのRLUSDの主要準備金カストディアンであるビーエヌワイとの戦略的協力を拡大すると発表した。
一連の取り組みの背景には、米国での法整備の進展がある。昨年成立したジーニアス法はステーブルコインの規制枠組みを設定し、ドル担保デジタルマネーの取り扱いを明確にした。ビーエヌワイは今後、対応ステーブルコインの種類をUSDC以外にも順次拡大する方針だ。