日本経済新聞は6月23日、SBIグループが日本円に連動するステーブルコイン「JPYSC」を6月中にも発行すると報じた。金融庁の承認を得たとしている。
発行体はSBI新生信託銀行で、グループ傘下の仮想通貨交換業者SBIVCトレードが取り扱いを担う。信託会社が裏付け資産を管理する「信託型」の発行形態としては国内初となる見通しで、シンガポールのスターテイルグループと共同開発した。
2025年10月に国内で初めて発行されたJPYCは資金移動業者による発行のため、1度の発行額が100万円までに制限される規制上の制約があった。JPYSCは信託会社が発行体となる法的スキームを採用しており、この上限が適用されない。これにより、大口の法人決済や機関投資家向け取引への対応が可能になる。
SBIは証券・銀行・仮想通貨交換をグループ内に抱える総合金融事業者として、JPYSCをこれら既存サービスと組み合わせた利便性向上を狙う。即時決済が可能で従来の銀行振込やクレジットカードに比べて手数料が大幅に低いステーブルコインの特性を活かし、国内のデジタル資産に投資する機関投資家や、国境をまたいだ決済ニーズを持つグローバル企業を主要ターゲットとして見込む。
収益面では、利用者が購入したJPYSCをSBIに貸し出し、SBIが運用することで利用者が金利収入を得るレンディングサービスも展開する方針だ。将来的にはQRコードを活用した飲食・小売店舗での日常決済への普及も視野に入れる。
国内のステーブルコイン発行を巡っては、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクも2026年度中の共同発行に向けた検討を進めている。SBIグループが信託型として先行発行に踏み切ることで、銀行系ステーブルコインとの競合構図が明確になった形だ。


