オンチェーン分析企業グラスノードは17日、週間市場レポートを発表。仮想通貨ビットコイン市場は依然として脆弱な状態にあるものの、忍耐強い投資家によって支えられつつあると分析した。
ビットコインが現在の水準付近を底値とできるかどうかは、流動性の向上と低い価格帯での買い集めが、投資家の収益性低迷やリスクセンチメントを相殺できるかどうかにかかっているとも述べた。
グラスノードは、5月から6月にかけての下落は、主に地政学的リスクによるものだったが、米国・イランが和平合意に達したと発表したことで、この逆風が取り除かれたとしている。安全資産からビットコインのようなリスク資産へ資金が戻る土台が整いつつあると続けた。
一方で、レポート発表時のビットコイン価格(約6万5,600ドル)は、オンチェーン上の強気・弱気の境界線とされる「真の市場平均(トゥルーマーケットミーン)」である7万7,200ドルを約15%下回っており、依然として弱気相場の中にあると指摘した。
直近155日以内に購入した短期保有者のMVRV(現在の価格の取得コストに対する比率を示す指標)は0.90であり、最近の買い手の多くが約10%の含み損を抱えている状態だ。これが回復局面での上値を重くする要因となっていると述べる。
また、実現利益・損失比率(30日移動平均)は0.53となっており、過去1か月の大半において利益確定よりも損失確定(損切り)が支配的な状況だと続けた。
流通しているすべてのコインの取得コストの合計を示す「実現時価総額(Realized Cap)」は過去90日間で1.45%減少しており、今サイクルにおける資本流出が続いていることを示唆する。ただし、直近7日間では減少がほぼ止まっており、流出の鈍化が見られるところだ。
一方で、6万ドル付近への下落に伴い、バイナンスのスポット(現物)市場では買い注文の流動性が売り注文を大幅に上回っている。グラスノードは、買い注文の優勢が持続する局面は、市場の安定化期と重なることが多いと指摘した。
また、未決済建玉(OI)も急減後、低水準を維持しており過度なレバレッジが排除された健全な状態にあると指摘する。
オプション市場では、BTC急落時に急騰したインプライドボラティリティ(IV:オプション市場が予測する将来の価格変動の大きさを示す指標)は大幅に低下。1週間IVはピーク時の65%超から約35%まで、1か月IVは約50%から約35%まで下落した格好だ。
グラスノードは、投資家の過度な警戒感が和らいでいると評価した。
市場が本格的な「プリ・ブル(強気前夜)相場」へと移行するための条件としては、トゥルーマーケットミーンが7万7,200ドルへと回復すること、短期保有者のMVRVが1.0を超え、含み益状態になること、90日間の実現時価総額(RCT)がプラスに転じることなどを挙げている。


