仮想通貨(暗号資産)の取引規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)に移行する「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が、6月10日に衆議院財務金融委員会で可決された。同改正案は4月10日に閣議決定・国会提出されており、衆議院本会議を経て参議院での審議へと移る。
改正案の根幹は、これまで支払い手段と位置づけられてきた仮想通貨を「金融商品」として明確に再定義し、株式や債券と同じ金商法の規制対象に組み込む点にある。
仮想通貨交換業者の名称も「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」に改められる。無登録での販売に対する拘禁刑の上限は現行の3年以下から10年以下に、罰金は300万円以下から1,000万円以下にそれぞれ引き上げられ、投資家保護に向けた規制の実効性を高める。
改正案では、未公表の重要情報を利用した売買を禁じるインサイダー取引規制が仮想通貨分野に初めて導入される。発行者の新規事業や上場・廃止といった情報を事前に知った関係者が取引を行うことが禁止対象となる。証券取引等監視委員会に犯則調査権限が付与され、違反行為に対する課徴金制度も整備される。
発行者への情報開示規制も新設される。「特定暗号資産」に該当する発行者は、募集・売出し時に特定暗号資産情報(投資家向け情報開示)の公表提出と財務監査義務を負い、年1回の定期情報公表も求められる。虚偽記載には10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金が科される。
税制面では、現行で最高55%が課される総合課税から、申告分離課税(税率20%)への移行と損失の3年間繰越控除が盛り込まれている。この税制改正の適用は金商法改正法の施行を前提としており、施行が2027年度となる場合、課税の変更は2028年1月1日からとなる見通しだ。
また、改正案は仮想通貨ETFの組成を可能にする制度的枠組みも備える。同改正案が今国会で成立すれば、施行は2027年度が見込まれる。


