「Truth Social」を運営するトランプメディア・アンド・テクノロジー・グループ(DJT)は、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)現物ETF、ビットコイン・イーサリアム(ETH)現物両方に投資するETF、および複数の主要仮想通貨に投資する「クリプト・ブルーチップETF」の計3本の申請を取り下げた。
これらのETFのスポンサー兼投資顧問会社であるヨークビル・アメリカ・デジタル(Yorkville America Digital)が19日に発表している。1933年証券法ではなく、1940年投資会社法に基づく、より革新的な投資戦略を提供することが最適と判断したと理由を述べた。
ヨークビル・アメリカのスティーブ・ニームツ社長は次のようにコメントしている。
具体的には、1940年投資会社法の枠組みは、投資家保護の強化、税金面での効率性、幅広い投資家アクセス、透明性と情報開示など様々な面で投資家にメリットがあるとしている。
一方で、ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は「この説明にはあまり納得がいっていない」と発言した。
33年法では保護措置が少ないことは業界関係者なら誰でも知っていることだと指摘し、むしろビットコイン現物ETFで競争が高まっていることが関係しているのではないかと推測している。
特に、モルガン・スタンレーが4月に立ち上げた「MSBT(Morgan Stanley Bitcoin Trust)」を例に挙げた。MSBTは米国の大手銀行が初めて提供するビットコイン現物ETFとして注目を集めている。
セイファート氏は、MSBTの手数料が年率0.14%と現行市場で最も低い水準であることも指摘した。
競争が激しくなる中、「14番目の現物ビットコインETFが本当に必要なのだろうか」とも問いかけている。その上で、トランプ・メディアが1940年投資会社法に基づいたより柔軟な仮想通貨ETFの計画を立てていることは理にかなっているとも述べた。「より差別化できるもの」なら新たに出てきてもよいだろうと意見している。
なお、1933年証券法は米国で新しく発行される証券(株式や社債など)の公募において、投資家に正確な情報を開示することを義務付けた連邦法。1940年投資会社法は米国のミューチュアル・ファンドなど集団投資スキームを規制し、投資家保護の枠組みを定めた連邦法だ。
1940年投資会社法は、現物ではなく先物の仮想通貨ETFに使われることが多いため、トランプ・メディアは、純粋な現物ETFとは違った構造のETFを構想している可能性もある。
