*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は、15日朝にかけて上昇し、一時、前日比で約50万円高となった。背景には、米国の暗号資産(仮想通貨)市場構造改革法案(クラリティー法案)が上院銀行委員会で可決され、法案成立に向けた進展が確認されたことがある。
ただし、6月上旬に予定される上院本会議での可決には60票が必要とされる一方、現時点で賛成票を投じるとみられる議員は56票程度にとどまるとされる。ポリーマーケットにおける同法案の成立予測も70%前後で推移しており、成立の確実視はされていないままである。
デリバティブ市場では、ファンディングレートがマイナス圏で推移しており(下画像赤枠)、成行注文によるショートポジションの増加が見受けられる。上昇後の値ごろ感から打診的な売りが入っているとみられるが、現物価格が底堅く推移した場合には、ショートカバーが発生しやすい状態でもある。
CME先物市場では、価格差益を狙うヘッジファンドなどによるロングポジションの増加が確認された(下画像赤枠)。未決済建玉も増加傾向にあり、先物市場には資金流入が見られる。規制整備の進展期待を背景に、機関投資家の間でBTCに対する上昇期待が強まりつつある状況である。
一方、オプション市場では大きな変化は見られない。プット、コール双方のポジションが増加しているものの、PCR(プット・コールレシオ)は横ばいで推移している(下画像黄矢印)。これは、上昇方向と下落方向の双方にポジションが積み上がっており、市場参加者がクラリティー法案の成立を材料とした一方向の上昇にはまだ慎重な姿勢を維持していると見受けられる。
現時点では、クラリティー法案の進展は暗号資産市場にとって明確な追い風である。規制の明確化は、機関投資家や金融機関の参入を後押しし、ステーブルコインを含む周辺分野の成長期待にもつながる。
ただし、6月上旬に予定される上院本会議での可決には、なお不透明感が残る。市場は法案通過の可能性を織り込み始めているものの、完全には確信していない。
デリバティブ市場ではショートポジションの増加により短期的な踏み上げ余地がある一方、オプション市場では慎重姿勢も続いている。このまま上院本会議での可決が不透明なままである場合、上値追いには慎重さが残る局面である。


