米上院銀行委員会は日本時間15日、仮想通貨市場構造法案「クラリティー法」のマークアップ投票を実施し、賛成15・反対9の超党派採決で同法案を可決した。民主党からはルーベン・ガレゴ議員とアンジェラ・アルソブルックス議員が賛成票を投じた。
ただし両議員とも、本会議での支持には条件をつけた。ガレゴ議員は採決後、「倫理条項をめぐる利益相反防止の文言が解決されなければ、上院本会議では反対票を投じる」と明言した。
ファン・ホレン議員が提出した大統領・副大統領・連邦議員の仮想通貨保有・推進を禁じる修正案は13対11で否決されており、倫理条項をめぐる交渉は本会議に持ち越された。
また、マークアップ中のもう一つの対立点はステーブルコイン利回り規定だった。銀行業界が求める利回り制限強化と法執行機関が求める修正について、民主党側は修正案採決の実施を求めたが、スコット委員長はこれを拒否した。米政治メディア「パンチボウル・ニュース」は、共和党に政治的リスクを生じさせる条項の採決を回避したものだと報じた。
ノンカストディアル(非保管型)ソフトウェア開発者を訴追から保護する「ブロックチェーン規制確実性法(BRCA)」条文は修正されずそのまま残存した。DeFi規制ではワーナー議員が自身の修正案を撤回し、「本会議に向けて引き続き取り組む」と述べた。
業界側の反応は概ね肯定的だ。コインベースが設立した仮想通貨支持の政治団体「スタンド・ウィズ・クリプト」の事務局長は「本会議での採決は仮想通貨に関して議員が行う最も重要な投票になる」と述べた。
一方、全米銀行協会は加盟銀行のCEOに対し委員会の共和党議員へのロビー活動を促す書簡を事前に送っており、ステーブルコイン規定をめぐる銀行業界の抵抗は本会議でも続く見通しだ。
委員会可決後は、上院農業委員会で可決済みの別バージョンとの一本化を経て上院本会議での採決に臨む。本会議通過には60票以上が必要で、ステーブルコイン利回り・倫理条項・BRCA条文などの争点が最終的にどう決着するかが60票確保の成否を左右する。その後、下院との調整を経てトランプ大統領の署名という工程が残り、ホワイトハウスが目標とする7月4日の成立まで時間的な余裕は少ない。


