台湾の葛如鈞(カツ・ジョキン)立法委員は4月29日、ビットコイン政策研究所(BPI)が作成したビットコイン準備金に関する調査報告書を、卓栄泰(タク・エイタイ)行政院長らに直接提出した。葛議員は同日の質疑応答において、台湾が保有する6,020億ドル規模の外貨準備の一部を戦略的資産としてビットコインに割り当てる検討を求めている。
提出された報告書は、米ドル建て資産に80%以上が集中する台湾の準備資産構成が地政学的な混乱や通貨価値の下落に対して脆弱であると指摘している。ビットコイン( BTC )は特定の国家の金融政策に依存せず、封鎖シナリオにおいても没収耐性を持つ独自の利点があると同議員は強調した。
BPIの研究責任者であるサム・ライマン(Sam Lyman)氏は、この提言が台湾政府の最高レベルに達したことは、国会議員らがビットコインを戦略的資産として真剣に評価している証拠であると指摘。同研究所はビットコインが金融システムで果たす役割についての教育を推進しており、今回の報告書はその目的を具体化するものである。
また葛議員は、中央銀行の楊金龍(ヨウ・キンリュウ総裁に対し、ステーブルコインおよび広範なデジタル資産準備金に関する新たな報告書を1カ月以内に作成するよう要求した。同議員は以前から中央銀行へ働きかけを続けており、今回初めて行政のトップである院長へ正式な提言を行うに至っている。
報告書の著者であるジェイコブ・ランゲンカンプ(Jacob Langenkamp)氏は、物理的な金(ゴールド)の輸送が困難な状況やドル資産が制限される局面において、ビットコインはアクセス可能な資産になり得ると分析している。台湾特有の地政学的リスクと外貨準備の集中を考慮すると、ビットコインの戦略的価値は極めて高いという。
台湾中央銀行は2025年末の時点では、ビットコインのボラティリティや流動性の懸念から準備資産としての適合性を否定的な見解で評価していた。しかし、没収された210BTCを活用したデジタル資産サンドボックスの実施を約束しており、将来的な試運用に向けた一定の関心は維持している。
今回の正式な提言により、台湾におけるビットコイン準備金構想は政策議論の新たな段階へと進展したとみられている。政府が外貨準備の多角化に向けてデジタル資産の導入に踏み切るか、中央銀行が提出する次回の報告書の内容に大きな注目が集まっている。


