英国上場のビットコイン蓄積企業サツマ・テクノロジーに対し、大手仮想通貨ベンチャーキャピタルのパンテラ・キャピタル・マネジメントが残存する5,000万ドル相当のビットコインを売却して株主に資本を返還するよう求めていることが4月23日、ブルームバーグの報道で明らかになった。サツマは一部株主から「資本返還の要請を受けている」と認めたが、要請者の名前は公表していないという。
パンテラ・キャピタルは2003年創業のヘッジファンドで、2025年8月時点でデジタル資産財務戦略(DAT)分野だけで3億ドル超を投資しており、ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズやトゥエンティワン・キャピタルなど複数のBTC・ETH蓄積企業にも出資。サツマの株式の約7%を保有する筆頭格の投資家だ。
サツマのランアルド・マクレガー=スミス会長は「すべての株主の利益を守りながら、要請に応える選択肢を検討中だ」と声明で述べたと報じられた。
サツマは2025年8月、「AIを活用したビットコイン財務戦略」を掲げ、転換社債形式で2億ドルの資金調達を実施した。パラファイ・キャピタルが主導し、パンテラ、デジタル・カレンシー・グループ、クラーケン、アーリントン・キャピタルなどが参加した。しかし2025年10月初旬にビットコインが12万6,000ドルの過去最高値を記録した後、数カ月にわたる下落が始まり、価格は約38%下落した。
サツマは2025年12月、転換を選択しなかった社債保有者への返済を目的にBTC保有量の約半分を売却した。この決定がパンテラなど投資家との摩擦を生み、CEOのヘンリー・エルダー氏とCFOのアンドリュー・スミス氏の解任要求につながった。両名は2026年3月に辞任しており、4月初旬には1.8万ドル相当のBTCを追加購入しコスト削減方針を発表したが、投資家の不満は解消されていない。
サツマの株価は2025年6月のピーク比で99%超下落し、4月23日のロンドン市場では約0.31ドルをつけた。現在の保有量は646BTC(ビットコイン財務戦略企業ランキング57位)で、時価総額はBTC保有額を下回る水準にある。
ビットコイン財務戦略企業全体でも、トランプ政権発足後に急増した多くの企業が高プレミアムを失っていた。トランプ一族関連のワールドリバティ・ファイナンシャルのWLFIトークンを蓄積していたオルト5シグマ社も今月23日、「AIファイナンシャル・コープ」への社名変更を発表しており、DAT戦略からの撤退の動きが広がっている。