日本取引所グループ(JPX)は3日、暗号資産(仮想通貨)を主たる資産として保有する企業の株式をTOPIX(東証株価指数)などの指数に新規で追加することを当分の間見送る方針を示した。
このルールを導入する目的については、投資機能性や指数の安定性の維持であると説明。これから意見を募集し、決定した場合に実際にルールを適用する。なお、見送るのは新規追のみで、既存の構成銘柄にはこのルールは適用しないとした。
今回の内容を公表したのは、日本取引所グループで金融商品市場に関係するデータ・インデックスサービスなどを行うJPX総研。「特別注意銘柄等の取扱いについて」というタイトルの文書に仮想通貨保有企業に関する対応を記している。
JPX総研は今回まず、特定の資産を主たる資産として保有している銘柄が日本においても近年新たに見られるようになっているが、指数への新規追加後の取扱いの変更は連動運用などへの影響があることから、その取扱いには慎重を期す必要があるとの考えを示した。
一方で、新規追加前の銘柄については、海外主要指数において新規追加の見送りや指数上の取扱いに関する検討が行われていると説明。こうした状況を踏まえ、TOPIXなどの投資機能性や安定性の維持のため当分の間、これらの銘柄の新規追加を見送るなど所要の対応を行うとした。この主たる資産の対象が仮想通貨であると述べている。
なお、海外の状況とは、世界的な株価指数を提供するMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)などの方針を指していると見られる。仮想通貨を多く保有する企業の株価は、仮想通貨の値動きの影響を大きく受けるとの指摘は多い。
ルールが適用される指数については、TOPIX以外の定期入替を行う指数も対象にするとしている。他にも、指数の既構成銘柄には適用しないと説明した。
また、仮想通貨を「主たる資産として保有」という基準について今回の文書に詳しくは記されていないが、日経新聞は「保有量が総資産の50%超の企業」が対象になると報じている。
今回のルールは、2026年5月7日まで行う「指数コンサルテーション」という意見募集の機会を経て、決定した場合に実際のルール適用を開始する計画。決定した場合は2026年10月からルールを適用する予定だという。
なお、JPXが仮想通貨保有企業に対する考えを示したのは今回が初めてではない。
例えば、昨年11月には同社の取締役兼代表執行役グループCEOである山道裕己氏が、仮想通貨財務企業も含め株式上場後に事業内容が大きく変わっている事例が散見されると指摘。その上で、この事例にどう対応していくか考える必要があると述べていた。