キャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストは、3月26日の取引において、主要テック銘柄および自社運用の現物ビットコインETFの大規模なポジション調整を実施した。
今回の売却はポートフォリオのウェイトを目標値に戻すための戦略的リバランスの一環と見られ、メタを約4,100万ドル、エヌビディアを約2,600万ドル分、それぞれ整理した格好である。
アーク・インベストは同日、ハイテク株以外にも自社のビットコイン現物ETFであるARKB株を約1,100万ドル、仮想通貨取引所ブリッシュの株式を約650万ドル分売却するなど、仮想通貨関連のポジションも縮小させている。
さらに、ビットコイン( BTC )支持者として知られるジャック・ドーシー氏率いるブロック社のブロック株も約500万ドル相当を手放しており、市場環境の変化に応じた資産構成の最適化を急いでいる模様だ。
一連の資産売却の背景には、深刻化する中東情勢と原油高の状況がある。米国大統領によるイスラエル攻撃の一時停止示唆に対し、イスラエル側が攻撃を激化させる方針を固めたとの報道を受け、金融市場全体でリスク回避(リスクオフ)の動きが加速した。この地政学的リスクは、ナスダック市場などテック株主体の指数を押し下げる主因となっている。
仮想通貨市場もこのマクロ環境の影響を直接受けており、ビットコイン価格は24時間で約6%下落し、一時は3月2日以来の低水準となる65,600ドル付近まで値を下げた。ビットコインが月間安値を更新したことで、レバレッジをかけたロングポジションの清算が過去24時間で4億ドル規模に達しており、仮想通貨セクター全体の売り圧力を強める結果となった。
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関連株銘柄もこの煽りを受け、ビットコインを大量保有するストラテジーの株価は5%超下落し、124ドルを割り込んで月間安値を更新した。また、イーサリアム財務モデルを採用するビットマイン・イマージョンが18.3ドル、株・仮想通貨取引アプリを運営するロビンフッドが約66ドルの月間安値を記録するなど、仮想通貨への依存度が高い銘柄ほど下落幅が拡大する傾向にある。
結論として、現在のテック市場はアークによるリバランスという内部要因と、中東情勢の緊迫という外部要因が複雑に絡み合った局面に立たされている。
投資家はアークの売買動向を個別の弱気サインと捉えるのではなく、マクロなリスクオフ局面におけるポートフォリオ管理の一環として注視しつつ、地政学的リスクが各セクターの資産価値に及ぼす波及を慎重に見極める必要がある。
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