ブロックチェーン分析企業TRMラボスが3月27日に公開した報告書によると、予測市場の月次取引高は2025年初頭の12億ドルから2026年1月には200億ドル超へと急拡大した。
ユニークウォレット数も2026年2月までの6カ月間で3倍超の84万件に達しており、既存ユーザーの取引拡大だけでなく参加者層そのものが広がっていることが示された。
TRMラボスの分析によると、取引高の過半数を占めるのは地政学・マクロ経済・米国政治関連のイベントで、従来主流だった仮想通貨価格関連の取引を逆転した。
ポリマーケット上位10ウォレットの2026年初頭の収益は、「マクロ確信型」「アルゴリズム流動性提供型」「イベント投機型」の3戦略に集約され、トップウォレットは連邦準備制度の政策決定やワールドカップ等の多様なマーケットで620万ドルを獲得した。
急成長の背景には規制環境の好転がある。2026年1月に新CFTCの委員長が予測市場規制の提案規則を撤回し、ポリマーケットはCFTCからノーアクションレターを取得して米国市場への再参入が可能となった。また2025年10月にはICE/NYSEがポリマーケットに最大20億ドルを出資し、評価額が80億ドルに達したことが機関投資家からの信認を示す動きとなった。
急拡大する取引高の一方で、TRMラボスは市場操作に類する行為も観測している。2026年1〜2月にかけて4つのウォレットが「米国のイランへの軍事行動」に関するマーケットで約4万ドルを87万2,000ドルへと増やした事例では、同一ブリッジを通じた同時期の入金や、勝利後の残高一括引き出しなど、協調行動を示唆するオンチェーンの痕跡が確認された。
こうした状況を受け、カルシとポリマーケットは3月23日、非公開情報へのアクセスを持つ参加者の制限や完全性管理の強化など、新たな不正対策措置を公表した。一方でネバダ州ゲーミング規制当局が2026年2月にカルシを提訴し、アリゾナ州司法長官も3月に訴訟を起こすなど、規制上の逆風も続いている。
TRMラボスは、予測市場が投機プラットフォームを超え、リアルタイムの情報集約インフラへと進化する可能性を指摘している。地政学リスクや選挙サイクルへの関心が高まる中、市場の透明性確保と操作リスクへの対応が、今後の持続的成長を左右する鍵となりそうだ。
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