ニューヨーク証券取引所(NYSE)は24日、デジタル証券企業Securitizeとの提携を発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日報じたもので、NYSEはSecuritizeを初のデジタル移転代理人として採用し、株式およびETFをブロックチェーン上のデジタルトークンとして発行・管理する基盤の共同開発に着手する。
両社が構築するのは「Digital Trading Platform」と呼ばれる代替取引システムで、SecuritizeのブローカーディーラーがNYSEのトークン化証券プラットフォームに接続する形を想定している。
プラットフォームでは24時間取引と即時決済が可能となり、投資家はステーブルコイン(米ドル連動型の仮想通貨)による取引資金の充当も行える。さらに両社は、他の移転代理人が準拠した形で株式をブロックチェーン・トークンとして発行・管理できる標準規格の策定も進めていく。
ライバル企業ナスダックのトークン化プラットフォームがトークン化株式と従来株式の双方をDTCC経由で決済するのに対し、NYSEのプラットフォームはDTCCを介さずブロックチェーン上で直接発行・決済を行う独立した取引基盤となる点が特徴だ。
NYSEの親会社インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)はすでに仮想通貨取引所OKXへの出資を通じ、NYSE上場株のトークン化取引機能を2026年後半に提供する計画だ。今回のSecuritizeとの提携はその延長線上に位置する動きであり、伝統的な証券取引所がブロックチェーンを活用したインフラ整備を本格化させていることを示している。
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また、ライバルのナスダックも同様に、仮想通貨取引所クラーケンの親会社ペイワードと「エクイティ・トランスフォーメーション・ゲートウェイ」の共同開発を発表しており、2027年上半期の稼働を目標に掲げている。SECが先週ナスダックの一部申請を承認したことで、主要取引所によるトークン化推進に追い風が生まれている。
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Securitizeの共同創業者兼CEOカルロス・ドミンゴ氏は「現在のトークン化株式の多くは実質的にデリバティブや価格追跡商品に過ぎず、発行体と直接連携した真のネイティブ・トークン化ではない」と指摘。NYSEのプラットフォームは、従来の株式と同等の配当受領や株主議決権をトークン保有者に付与する点で、既存のトークン化株式サービスとの差別化を図る模様だ。
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