Fox Businessの元記者でCrypto in Americaホストを務めるエレナー・テレット氏が23日にXで報じたところによると、米国の仮想通貨市場構造法案「デジタル資産市場明確化法(クラリティー法)」の最新条文で、ステーブルコインの保有残高に対する報酬が禁止される方向であることが明らかになった。条文に接した業界関係者からは早くも懸念の声が上がっている。
投稿によると、3月23日には仮想通貨業界の代表者が上院銀行委員会と非公開で条文審査を実施。銀行業界の代表者は本日24日に同様の審査を行う予定だという。
条文の核心となる妥協案は、共和党のトム・ティリス上院議員と民主党のアンジェラ・アルソブルックス上院議員が3月20日に合意したもの。保有残高に対する報酬は禁止される一方、取引や流動性提供など特定の行動に紐づいた活動ベースの報酬は引き続き認められる方向だ。また銀行預金の利息と「経済的・機能的に同等」とみなされる仕組みも制限の対象となる。
ただし条文の内容は業界に厳しい受け止めをもたらしている。条文を審査した業界リーダーの一人は、草案はホワイトハウスとの従来の協議内容からの「逸脱」だと指摘し、「経済的同等性」の基準が曖昧で将来の規制当局によってより厳格に解釈される可能性があると警告した。
一方、別の関係者は「概ね想定の範囲内」で当初案より広い内容だとして「最善の結果だ」と評価した。
アルソブルックス議員はこの合意について「イノベーションを守りつつ、銀行預金の大規模な流出を防ぐ機会をもたらすものだ」と述べている。
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クラリティー法案は昨年7月に下院を通過済みだが、上院銀行委員会の審議は1月に延期されて以来停滞していた。シンシア・ラミス議員は4月後半の委員会採決を見込むが、DeFi規制や政府高官の仮想通貨保有制限など未解決の課題も残っており、成立への道のりはなお予断を許さない。
この問題の背景には、仮想通貨取引所が提供するステーブルコイン報酬プログラムが銀行預金の利息と実質的に同じ機能を果たすとして銀行業界が強く反発してきた経緯がある。
現行のジーニアス法はステーブルコイン発行体によるイールド支払いを禁じているが、取引所などサードパーティーを通じた報酬提供には適用されず、この抜け道を塞ぐことがクラリティー法案の主要な争点となっていた。
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