フォーチュン誌が3月5日に報道したところによると、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の上場親会社インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)が、世界大手の仮想通貨取引所OKXに出資し、企業価値250億ドルでの評価で合意に達した。
ICEはOKXの取締役会に席を持つことも明らかになった。なお、出資額や詳細な条件は非公表だ。
今回の提携の核心は、仮想通貨の価格フィードの共有にとどまらない。
OKXは2026年後半をめどに、ユーザーがNYSE上場株のトークン化証券やデリバティブを同プラットフォーム上で取引できる機能の提供を計画している。トークン化とは、従来の金融資産をブロックチェーン上の形式に変換するプロセスであり、取引コストの削減などの効果が期待されている。
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報道によると、ICEにとってこの出資は同社のデジタル資産分野への一連の動きの中でも特に大きな一手だ。ICEは2025年10月に予測市場プラットフォームのポリマーケットへ最大20億ドルの出資を決定。また、同年12月には仮想通貨決済企業ムーンペイへの出資交渉も進めていた。伝統的金融機関による仮想通貨分野へのコミットメントが急速に深まってきている。
ICEの戦略的取り組み担当副社長マイケル・ブラウグルント氏は、「将来の競合は必ずしもCMEやナスダックのような伝統的機関にとどまらず、分散型金融(DeFi)プロトコルやスーパーアプリになりうる」と述べ、ロビンフッドやブラックロックと連携を発表したDeFiプラットフォームのユニスワップを例として挙げた。一方、独自のブロックチェーン基盤開発とOKXとの連携は「補完的なプロジェクトであり、一体のものではない」とも明言した。
OKX側にとって今回の提携は、東アジアのオフショア取引所というイメージを払拭し、米国ルールに準拠したグローバルな取引拠点へと自社を再定義する戦略の一環だ。
OKXは2025年初めに米司法省と5億ドルの和解に合意し(無許可の資金送金業務運営1件について有罪答弁)、その2ヶ月後に米国での事業を再開した。OKXの法人担当グローバル・マネージング・パートナーであるハイダー・ラフィーク氏は5,000人規模の従業員のうち最大2,000人を米国に移転する方針を示しており、「このプロダクトを支えるために米国への投資を大幅に拡大していく」と語った。
ICEとOKXの提携は、伝統的金融と仮想通貨業界の垣根が崩れつつある流れを象徴する動きとして位置づけられる。2026年後半に予定されるトークン化株式取引機能の実装が実現するか、そして今後両社がより深い連携に踏み込むかどうかが今後の注目点となる。
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