暗号資産(仮想通貨)イーサリアム( ETH )の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は28日、イーサリアムのスケーリング(拡張性向上)に向けた短期および長期のロードマップを説明した。
イーサリアムの分散性を犠牲にすることなく、トランザクション容量をどのように規模拡張する計画かを説明している。これまで、イーサリアムは分散化やセキュリティを優先してきた傾向があるが、スケーリングにも本格的に取り組む姿勢を明確にした。
まず短期的には、次回の大型アップグレード「Glamsterdam(グラムステルダム)」を中心にして、以下のいくつかの施策を行う。
並列検証により、複数のトランザクションをソラナ( SOL )のようにパラレル処理できるようになる。また、ePBSは、ブロックの作成者(ビルダー)と提案者(プロポーザー)の役割をプロトコルレベルで分離・最適化することだ。これにより、限られた時間内での処理効率を最大化することが期待される。
また、ガス(取引手数料)の価格再設定機能により、各操作にかかった手数料を、実際に実行にかかった時間やネットワークに課す負荷に見合った適切な価格に調整することが可能となる。
ブテリン氏は、イーサリアムのチームは「多次元ガス」にも取り組んでいるところだと続けた。
現在は、イーサリアムは、実行、コールデータ、ステート作成など様々な処理にかかるガス代を単一のモデルで価格設定している。これに対して、「多次元ガス」は種別ごとに異なるガス代を課すようにするものだ。
例えば、新規ステートを作成する操作には、通常のガス代に加えて「ステート作成ガス」を課す計画だ。ステートの作成コストは高くなるものの、この「ステート作成ガス」は既存のガス上限にはカウントされないため、現在よりも大きなコントラクトの作成ができるようになる。
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次にブテリン氏は、長期的なスケーリング(規模拡張)への取り組みについて説明した。「BLOBを介したデータ可用性」と、「ゼロ知識イーサリアム仮想マシン(ZK-EVM)」が重要な要素になるとしている。
BLOBについては、PeerDAS(ピア・データ可用性サンプリング)を改良し、理想的には、毎秒約8MBのデータ処理能力を目指したいと述べた。なお、PeerDASはバリデータが一部のデータのみを抽出してチェックするスケーリング手法である。
現在、BLOBはL2(レイヤー2)向けだが将来的には、イーサリアムのブロックデータを直接BLOBに格納する計画だ。
さらに、ZK-EVMの段階的導入ロードマップも発表した。2026年には、アテスター(検証者)向けのZK-EVMクライアントがごく少数登場する見込みだ。
2027年には、まだ少数を維持しつつ、より多くの参加者にZK-EVMでの実行を推奨し、形式検証とセキュリティの最大化などに注力。例えばネットワークの20%がZK-EVMで実行された場合、ガス上限の大幅な引き上げが可能になる。
最終段階では、ほぼすべてのノードがZK-EVM証明で実行する状態を目指す。ZK-EVMにより、ほとんどのノードがブロック計算をゼロからやり直す必要がなくなり、イーサリアムの実行容量が飛躍的に向上するとみられる。
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