ナスダック上場のETHジラ・コーポレーション(ティッカー:ETHZ)は25日、同社のプレスリリースを通じて社名をフォーラム・マーケッツ・インコーポレーテッド(通称:フォーラム)に変更すると発表した。ナスダックの承認を条件に、3月2日の市場開始時点から新ティッカー「FRMM」での取引が始まる見通しだ。
同社はイーサリアム( ETH )の取得・保有を主軸とした財務戦略から、RWA(現実資産)のブロックチェーン上でのトークン化に事業の重心を移している。
直近の具体的な動きとしては、住宅ローン95件(総額470万ドル)の取得とイーサリアムL2ネットワークを使ったトークン化計画に加え、航空エンジン2基をSEC規制下の代替取引システム「リクイディティ・ドット・アイオー」を通じてトークン化する「ユーラス・エアロ・トークンⅠ」の発行を進めている。目標利回りは年率10%超と設定。
もともと「180ライフサイエンシズ」というバイオテック企業として設立された同社は、2025年7月にETHジラへのリブランディングを発表し、同年8月からETH保有戦略を本格化した。ピーター・ティール氏やファウンダーズ・ファンドを含む著名投資家の支援を受けて合計5億6,500万ドルを調達し、最大約10万2,200ETHを取得したとされる。
しかし、ETH価格がその後50%超下落したため事業モデルの見直しを迫られ、2025年10月に約4,000万ドル相当のETHを売却して自社株買いに充てたのに続き、12月にも24,291ETHを売却して転換社債の償還に充てた。なお、ティール氏とファウンダーズ・ファンドは2025年12月末までに保有株式を全て売却したとSEC提出書類で明らかになっている。
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今回の社名変更は、こうした一連の戦略転換を対外的に明示するものだ。現在の保有ETH残高はコインゲッコーのデータで約6万9,800ETHと、ピーク時から約32%減少している。
一方、フォーラムとしての新事業モデルは、従来の「純資産価値倍率(mNAV)」のような仮想通貨中心の指標ではなく、RWA事業から生まれる収益とキャッシュフローを価値基準に据えると経営陣は説明している。
CEOのマカンドリュー・ルディシル氏は声明で「次世代の金融市場は、実資産を裏付けとしたオンチェーン商品を中心に構築される」と述べ、フォーラムという名称がその「集積の場」を体現すると強調した。
フォーラムは2026年中に追加のRWAトークン商品の上場を計画しており、自動車ローンや不動産担保証券など複数の資産クラスへの拡大も予定している。収益モデルはトークン化前の資産保有による利回り、組成手数料、運用管理報酬、二次市場での取引収益の4軸で構成される見通しだ。
ETHジラからフォーラムへの転換は、イーサリアム価格の下落を受けた緊急対応的な側面を持ちつつも、RWAのトークン化という成長領域への本格参入を示している。類似の戦略を採るGDカルチャーやFGネクサスなど、仮想通貨財務企業が相次いで保有資産の売却や戦略見直しを迫られる中、フォーラムが機関投資家の信頼を獲得し収益化を実現できるかが今後の焦点となる。
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