暗号資産(仮想通貨)オンチェーン分析企業のクリプトクアントは20日、週間市場レポートを発表。ビットコイン( BTC )の市場構造は、弱気相場の局面でさらなる価格変動を起こしやすい状況になっていると分析した。
背景は、クジラ(大口保有者)が主要なビットコインの売り圧力になっていること、アルトコインが幅広く売られていること、ステーブルコインが取引所から流出していることがある。
クリプトクアントは、ビットコインの取引所への流入は依然として高い水準ではあるが正常化し、差し迫った売り圧力は減少したと指摘する。
しかし、ビットコイン流入額の構成は大口保有者へとシフトしているところだ。取引所のクジラ比率は0.64に上昇し、2015年以来の高水準となった。また、ビットコインの平均入金額も2022年半ば以来の水準に達していることも、機関投資家や大口保有者の活動が、取引所における売却を牽引していることを示す。
規模の大きな注文を行う大口投資家は、市場への影響力が他よりも大きいため、ボラティリティ増大につながる可能性がある形だ。
次に、アルトコインは依然として売り圧力にさらされている。取引所への1日平均入金件数は、2025年10~12月期の約4万件から、22%増加して約4万9,000件に達している。
過去データをみると、アルトコインの入金額の増加は通常、ビットコイン以外の市場の信頼感の低下を反映し、仮想通貨市場全体のボラティリティ上昇に先行する傾向がある。
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さらに、ステーブルコインの取引所への流入減少は、仮想通貨を購入するための資金が減少していることを示唆している。
取引所へのUSDTの純流入額は、2025年11月の高水準6億1,600万ドルから、2026年1月以降わずか2,700万ドルへと急減しており、時には純流出も確認されている。1月下旬には4億6,900万ドルが純流出した。
このことからは、大口投資家による売り圧を吸収する資金が不足している傾向が読み取れる。
なお、USDTについてはブルームバーグやCoingeckoのデータでも流入減が示されているが、2025年12月末に欧州で「仮想通貨市場規則(MiCA)」が施行されたことの影響も大きいと指摘されている。
USDTを発行するテザー社が同規制への完全準拠を見送ったことで、主要な欧州取引所がUSDTの取り扱いを制限した格好だ。これが、仮想通貨市場の調整や、大口投資家によるUSDT償還(払い戻し)の加速とあいまって、供給が減少しているとみられる。
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