オンラインイベント「Ethereum Shift 2026」で、SBI VCトレードの近藤智彦社長が登壇し、企業による暗号資産(仮想通貨)保有の将来展望について語った。
これに先駆け、TORICOはイーサリアムの取引・保管・運用においてSBI VCトレードとの協業を開始したことを発表。同社は「日本No.1のイーサリアム運用会社」を目指すにあたり、暗号資産の取得・保管において安定的かつ再現性のある価格水準での約定を実現することを最重要事項と位置付けている。
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近藤氏は「米ドルを保有する企業をわざわざ“米ドルトレジャリー企業”と呼ばないように、暗号資産も普通にバランスシートに入っている会社が増えていくのではないか」と述べ、暗号資産保有がもっと一般化していくとの見方を示した。
税制改正や監査法人の経験蓄積により、企業が暗号資産を保有するハードルは徐々に下がっているという。
SBI VCトレードは2023年5月に日本で初めてイーサリアムのステーキングサービスを提供開始した。
近藤氏は「日本の法令にどう適合するかをしっかり解釈した上で、国内で初めてサービス化できた」と説明。現在は申し込み不要で自動的にステーキング報酬が付与される仕組みを採用しており、利用者の約3分の1がこのサービスを活用している。
また、2025年3月には米Circle社が発行する世界最大級のステーブルコイン「USDC」の国内取り扱いを開始。USDCの大半がイーサリアムチェーン上で流通していることから、「安定的に価値を移動する必要がある時、一番使われているチェーンでステーブルコインが流通されるのが自然な流れ」と、イーサリアムの重要性を強調した。
近藤氏は、トレジャリー企業が成功するためには「既存の伝統金融の経験者が複数いるとより強くなる」と指摘。
SBI VCトレードはオプション取引のB2B提供を行っており、カバードコールなどの戦略により下落局面でもプレミアム収入を得られる手法を紹介した。
カバードコールは、イーサリアムなどの保有している資産を担保にして、コールオプション(将来の特定価格で売る権利)を売却し、その対価としてプレミアム(オプション料)を受け取る戦略のこと。
また、保有イーサリアムを担保にした円やステーブルコインの貸付サービスも検討中で、「DeFi(分散型金融)で実現できているサービスを国内法規制のもとで提供することを目指している」と述べた。
トランプ政権発足後、米国では暗号資産に関する規制整備が急速に進んでおり、日本でもSBI北尾会長のリーダーシップのもと、オンチェーン金融の推進にコミットしているとした。
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