ステーブルコイン発行大手テザーは2月5日、米国初の連邦規制下デジタル資産銀行アンカレッジ・デジタルに1億ドルの戦略的出資を行うと発表した。
同日、金取引プラットフォームのゴールド・ドットコムにも1.5億ドルを投資し約12%の株式を取得したことも明らかにした。
アンカレッジ・デジタルは米国内外で連邦規制に準拠した仮想通貨ステーキング、カストディ、ステーブルコイン発行サービスを提供している。テザーは新たに発行した規制準拠型ドル連動ステーブルコイン「USAT」の発行体としてアンカレッジ・デジタル・バンクを選定しており、今回の出資は既存の協力関係を拡大するものとなる。
テザーのパオロ・アルドイノCEOは「安全で透明性が高く強靱な金融システムの重要性という共通の信念を反映している」と述べた。
また、ゴールド・ドットコムへの投資では、テザーの金担保型トークン「XAUT」を同プラットフォームに統合し、グローバル流通網での協力を進める。
規制や技術的条件が整えば、世界最大のステーブルコイン「USDT」や新発行の「USAT」を使った現物金購入も可能にする計画だ。金価格が最近1オンス5,000ドルを突破する中、金担保型ステーブルコイン市場は過去12カ月で約13億ドルから55億ドル超へとほぼ3倍に成長しているという。
ブルームバーグの1月28日報道によると、テザーは約140トンの金を保有し、銀行や国家以外では世界最大の金保有者となった。過去1年間で準備金と「XAUT」の裏付けとして70トン超を購入しており、週1トンから2トンのペースで購入を継続している。
アルドイノ氏は「我々は世界最大の金中央銀行の1つになりつつある」と述べ、今後数カ月間もこのペースを維持する意向を示した。
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テザーの購入量は、ポーランドを除くほぼ全ての中央銀行の年間購入量を上回り、上位3つの上場投資信託を除く全てのETFよりも多い水準だ。ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのアナリストは、テザーの購入が昨年の金価格65%上昇に寄与した可能性があり、「持続的な金需要を推進する可能性がある」と指摘した。
今回の2件の投資は、テザーが規制準拠のインフラ構築と実物資産への長期配分を同時に進める戦略を示している。アルドイノ氏は「金は単なる取引対象ではなく、ユーザー基盤と我々自身を守るためのヘッジであり長期配分だ」と強調し、地金購入だけでなく金鉱山会社からの収益ストリーム購入を専門とするロイヤルティ企業の株式取得も進めていることを明らかにした。
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