ブルームバーグは5日、米国の仮想通貨企業が仮想通貨市場構造法案の成立に向け、銀行業界に対して新たな譲歩案を提示したと報じた。提案には地域銀行がステーブルコインの準備金を保管する役割を担うことや、パートナーシップを通じて地域銀行自身がトークンを発行できるようにすることが含まれている。
この法案は昨年下院を通過したが、上院では複数の意見対立により進展が停滞している。最大の争点は、コインベース・グローバルのような仮想通貨取引プラットフォームがステーブルコイン保有者に利回りを支払うことを認めるべきかどうかだ。銀行業界はこうした仕組みが当座預金や普通預金口座からの預金流出を招く恐れがあると懸念している。
関連: ビットコイン、年初来最安値を更新クラリティー法案協議難航で市場心理悪化|仮想NISHI
トランプ政権は4日、ホワイトハウスで仮想通貨業界と銀行業界の団体を集めた会合を主催した。民主党スタッフの関係者は協議について「前向きだった」と評価し、「これまでで最も生産的な民主党との会合だった」と述べた。上院のチャック・シューマー院内総務も会合に姿を見せ、業界との関与の重要性を強調し、法案成立に向けた勢いの継続を促した。
関係者によると、仮想通貨企業は最近数日間で複数の妥協案を提示した。その1つはステーブルコイン発行体に対し、準備金の一部を地域銀行に預けることを義務付ける案だ。もう1つは地域銀行が独自のステーブルコインを発行する道筋を整備する提案だという。ただし、これらの提案が銀行側の預金流出への懸念を十分に解消できるかは不透明である。
上院銀行委員会のティム・スコット委員長は5日、フォックス・ニュースに対し「消費者と地域銀行を保護しながら、イノベーションと競争を通じて価格を下げ、アクセスを拡大することができる」と述べ、両陣営がバランスを取れると期待を示した。同氏は「双方がイノベーションを米国内に留めるための妥協に向けて取り組んでいる」と付け加えた。
民主党スタッフは会合について、議員らにはまだ明確な要求事項があるものの、数週間前には瀕死の状態と考えられていた法案成立への取り組みが終わったわけではないとの見方を示した。
一方で、一部のアナリストは民主党がトランプ一族の仮想通貨分野における利益相反に焦点を当てて組織的に動いていると指摘し、「多くの批判が出ている。仮想通貨市場構造法案が今年中に成立する可能性は低いだろう」との慎重な見方も示している。
関連: ホワイトハウス会議でステーブルコイン報酬問題を議論、妥協策は2月末までに