スコット・ベッセント米財務長官は2月5日、下院金融サービス委員会の公聴会で証言し、ビットコイン価格が下落した場合の救済措置や、民間銀行に対するビットコイン購入指示の権限を持たないと明言した。仮想通貨に批判的なブラッド・シャーマン下院議員の質問に答えた発言だ。
シャーマン議員はビットコイン価格が暴落した場合、2008年の金融危機時に大手銀行を救済したように政府が介入する権限があるかと質問し、さらに銀行準備金要件の変更を通じて民間銀行にビットコインや「トランプコイン」の購入を強制する計画があるかを尋ねた。
ベッセント長官は「財務長官として、また金融安定監視評議会(FSOC)議長としても、そのような権限は持たない」と回答した。
トランプ大統領は2025年3月に大統領令でビットコイン戦略備蓄制度を創設した。刑事・民事資産没収で得たビットコインを備蓄に組み入れ、売却を禁止すると定めており、公開市場での購入は行わない方針だ。
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また、公聴会ではトランプ大統領と関連する仮想通貨・分散型金融事業ワールド・リバティ・フィナンシャルをめぐる利益相反問題も焦点となった。
グレゴリー・ミークス下院議員は、アラブ首長国連邦のタハヌーン・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン首長が支援する投資ビークルが、トランプ大統領就任直前にWLFIの49%株式を5億ドルで秘密裏に取得した件を批判した。
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ワールド・リバティは先月、通貨監督庁に銀行免許の申請を提出した。ミークス議員はベッセント長官に対し、利益相反に関する調査が完了するまでWLFI関連の銀行免許承認を保留するよう要請した。
さらに、ベッセント長官は中央銀行デジタル通貨に関する質問にも答え、連邦準備制度理事会や政府によるCBDC開発の取り組みを認識しているかとの問いに「全くない」と回答した。
今回の証言により、米政府がビットコイン市場への直接介入を行わず、押収資産の保有にとどまる方針が改めて確認された形だ。
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