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イラン、仮想通貨経済が1.2兆円規模に拡大 革命防衛隊も積極活用

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ブロックチェーン分析会社チェイナリシス(Chainalysis)は15日、国内不安と国際的緊張が続くイランで、暗号資産(仮想通貨)市場が2025年に7億8,000万ドル(約1兆2,330億円)規模へ急拡大し、同国経済における存在感を高めているとの分析を発表した。

イラン政府は、国内の大規模抗議運動と国外からの軍事介入の脅威に直面している。同国通貨リアルは、2018年以降約90%暴落し、地域紛争の激化に伴い通貨安はさらに加速。インフレ率は40~50%に達し、国民生活を圧迫している。

昨年12月28日頃、食料価格の高騰とリアルの急落への不満から抗議が始まり、政権打倒を求める全国規模のデモへ拡大した。テヘランや地方都市では大規模な衝突が発生し、イラン政府はインターネット遮断や大量逮捕などの厳しい弾圧を行ったと報告されており、多数の犠牲者も出ている。

チェイナリシスは、このような状況下にあるイラン国民にとって、仮想通貨は単なる制裁回避手段にとどまらず、「崩壊しつつあるシステムからの逃避手段」となっていると指摘している。最新のオンチェーンデータから、抗議運動期間中には、1日あたりの平均取引額や個人ウォレットへの送金件数が急増したことが確認されたという。

特に、イラン国内の取引所から帰属不明の個人用ビットコイン( BTC )ウォレットへの引き出しが急増していることから、イラン国民が従来よりもはるかに速いペースで、ビットコインを自己管理下に移していることを示唆していると、レポートは分析している。

チェイナリシスは、このような国民の行動は、「主要通貨に対して事実上無価値となったリアル崩壊に対する合理的な反応だ」と評価している。また、今回のイラン危機におけるビットコインの役割は、単なる資産保全にとどまらないと主張。「多くのイラン人にとって、仮想通貨は抵抗の一要素となっており、ますます制限される経済環境の中で流動性と選択肢を提供している。」と述べた。

チェイナリシスは、検閲耐性を持ち自己保管が可能なビットコインの特性が、国外脱出や政府管理下の金融チャネルを避けざるを得ない状況において、極めて重要な金融的柔軟性を提供すると指摘。不安定な時期にビットコインの引き出しが増加するパターンは、戦争や経済危機、政府の弾圧に直面する他地域でも観測されてきた世界的傾向だとまとめた。

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チェイナリシスは、イランでは一般市民だけではなく、イスラム革命防衛隊(IRGC)が仮想通貨を積極的に活用し、活動の資金調達に利用している点を強調している。

イランの仮想通貨経済全体に占めるIRGCの割合は着実に上昇しており、2025年第4四半期には総受取額の50%以上を占めた。2024年、IRGC関連アドレスがオンチェーンで受け取った資金は20億ドル(約3,170億円)超だったが、2025年には30億ドル(約4,760億円)超へと急増した。

「この傾向は偶発的ではなく、イラン経済および政治機関に対するIRGCの支配力拡大をそのまま反映している」とチェイナリシスは主張する。

しかしこの数字は、米国財務省外国資産管理局(OFAC)及びイスラエル国家テロ資金対策局(NBCTF)によって、制裁対象指定を受けているIRGCウォレットのアドレスに限定されたものであり、特定されていないダミー会社や非公開の資金提供者、仲介業者は含まれていない。そのため、今後、さらなるIRGC関連ウォレットの特定が進み、資金洗浄ネットワークの全体像が明らかになるにつれて、この数字は増加すると予想される。

この調査結果から、現在のイランの金融環境にビットコインが深く根付いていることが示唆される。市民は個人資産の保全手段として、また制裁を受ける政府関係機関は米国の規制を回避する手段として、それぞれ利用している。

ビットコイン政策研究所の上級研究員、ブラッドリー・レットラー氏は、IRGCがビットコインを採用することは、世界やイラン国民に対してビットコインの価値を示すシグナルになると指摘する。

同氏によれば、政府指導者による投資目的のビットコイン保有が、皮肉にも国民の関心を高め、自ら取得する動機につながるという。さらに、ビットコインを取得した市民は、「操作されず、高度な金融プライバシーを提供し、検閲耐性のある通貨を手に入れることになる」と述べ、今後の展望をまとめた。

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