暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン( BTC )は前日比+1.33%の1BTC=96,544ドルで推移している。
直近の調整局面を脱し、90,000ドル台の下値支持を固めたことで反発の勢いを増している。米CPI発表後のリスク回避後退が後押しする中、下値を切り上げており、試す展開が注目される。
10日〜12日にかけて89,000ドル〜92,000ドルの狭いレンジで推移していたが、13日以降は90,000ドル付近でサポートを確認。日足のSMA50が上向きに転じた。
ビットコインは直近、84,400ドルから96,000ドルへと強めの反発を見せた。データ分析企業CryptoQuantのオンチェーン指標によると、この上昇を主導したのはデリバティブ市場ではなく、現物市場での大口投資家による需要だったことが明らかになった。
反発の発端となった米国のベネズエラでの軍事作戦を受けて、地政学的リスクに対する市場の反応が顕著に表れた上昇との見方もある。
90日間現物テイカーCVD(累積出来高デルタ)は、価格が86,000ドル付近に達した時点でプラスに転じており、テイカー買いが優勢になったことを示している。
これは買い圧力が売り圧力を一貫して上回り始めたことを意味し、レバレッジ取引ではなく現物市場で実需が構築され始めた転換点となった。同時期の現物平均注文サイズも大口注文を示しており、クジラ(大口投資家)がこのラリーを主導していることが裏付けられた。
一方、先物出来高バブルマップでは、より小規模なリテール取引の増加が確認されている。個人投資家の活動は高まっているものの、その参加は主にレバレッジを使った先物市場に集中している。この構図は、現物市場でクジラが先行して買いを入れ、その後に個人投資家が先物市場で追随するという、典型的な強気相場のパターンを示している。
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米最大手取引所であるコインベースのブライアン・アームストロングCEOは、上院銀行委員会がCLARITY法案を大幅に書き直したことを受け、同法案への支持を撤回すると表明した。
この動きは規制の不確実性を高め、市場に影響を与える可能性がある。
修正案にはトークン化された株式の実質的な禁止、DeFi(分散型金融)の規制強化によるプライバシー権の侵害、CFTCの権限縮小、ステーブルコインの報酬プログラムへの制限などが含まれており、「現行法よりも後退する内容」だと批判した。
市場の焦点は、トランプ大統領の関税政策の合法性を問う最高裁判所の判決にも集まっている。
市場予測では関税が違憲と判断される確率は約73から76%とされており、トランプ大統領自身も最高裁が不利な判決を下した場合、米国は「数兆ドル」の関税を返還せざるを得なくなる可能性があると警告している。同大統領は事態を「完全な混乱」と表現し、深刻な影響を示唆した。
一方、スコット・ベサント財務長官は「米国財務省は関税還付金を賄うのに十分な資金を持っており」、流動性危機を引き起こすことなく「容易に吸収できる」との見解を示している。
市場アナリストのニック氏は、裁判所が判断するのは関税の実施方法であり、政策手段としての関税の存在そのものではないと強調する。同氏はこの出来事をほぼ中立的と捉えており、市場はすでに違憲判決を「予想」しているため還付リスクは価格に織り込み済みだと指摘している。むしろ関税維持という予想外の判決の方が、より大きな短期的な変動要因になる可能性があるとの見方を示した。
実際に違憲判決が下された場合、財政圧力によりFRB(米連邦準備制度)の利下げペースが鈍化し、仮想通貨市場への下押し圧力となる可能性がある。ただしドル安と輸入コスト減少が消費者支出を増やし、間接的に暗号資産への投資を刺激する要因にもなり得る。
最大のリスクは判決の延期が長期化し、トランプ大統領の発言通りの市場の確実性の高まりが顕在化することだ。
還付処理をめぐる流動性問題がドル不安を招き、ビットコインを再び90,000ドル割れへ押し下げる展開も警戒される。地政学リスクとの連鎖も懸念材料となっている。一方、ポジティブ要因として仮想通貨の非相関性が高まり、伝統的資産からの資金流入が継続している点が挙げられる。
最大手資産運用会社ブラックロックのビットコインETFへの週次流入額は過去最高を更新中で、投資家の関心は依然として高い水準を維持している。
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