ソフトウェア開発会社のアステリアは18日、日本円建てステーブルコインJPYCの企業利用を容易にする「JPYCゲートウェイ」を発表した。2026年1月13日よりβ版の提供を開始する。
JPYCは10月27日に国内資金移動業者として初めて発行された日本円建てステーブルコイン。企業での利活用においては、ウォレットの秘密鍵管理、暗号資産でのガス代負担、残高照会や会計監査の対応など複数の課題が存在していた。JPYCゲートウェイはこれらの課題に対し、Web画面と既存システム連携の両面から企業利用を支援する。
同サービスは独自のWeb画面から従来のオンラインバンキングと同様の操作が可能。取引先管理、承認管理、ウォレット管理、ガス代管理、履歴管理、監査支援といった機能を備え、企業担当者がステーブルコイン特有の課題を自社の事情に合わせて扱えるようになる。
さらに、アステリアの基幹製品「ASTERIA Warp」のデータ連携技術を活用し、財務経理システムやクラウドサービスなど100以上の既存システムと接続できる。
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対応ブロックチェーンはJPYCが対応するチェーン(イーサリアム、アバランチ、ポリゴン)で、今後有力なステーブルコインの追加も予定している。価格はトランザクション量に応じた料金体系となり、正式提供開始時に案内される。
アステリアは2017年よりブロックチェーン推進協会の代表幹事会社としてステーブルコインの実現に取り組んできた。11月には子会社化したMikoSeaのノーコードアプリ開発ツール「Click」でJPYC決済機能の提供を開始。また10月にはTECHFUNDとJPYC監査における業務提携を発表しており、企業や団体での安全なステーブルコイン利用に向けた基盤整備を進めている。
JPYC代表取締役の岡部典孝氏は「JPYCゲートウェイは企業利用において課題となっていたポイントを現実的に解決する取り組み」とコメント。日本円建てステーブルコインは2030年に約30兆円規模に成長するとの予測もあり、企業での利用拡大が期待されている。
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アステリアは1998年創業のソフトウェア開発企業。「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、データ連携製品「ASTERIA Warp」を1万社以上に提供している。
2017年よりブロックチェーン推進協会の代表幹事会社を務め、ステーブルコインの社会実装を推進。2025年11月にはノーコードアプリ開発ツール「Click」を提供するMikoSeaを子会社化し、個人から企業まで幅広いユーザーへのステーブルコイン普及を目指している。