国際通貨基金(IMF)は23日、エルサルバドルに関する職員の報告を公開した。
報告は40カ月間の中期融資制度(EFF)のレビューに関するもので、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )のプロジェクトに関する議論が継続していることと、Chivoウォレットの売却に関する交渉が進展していることも伝えた。
IMFのエルサルバドルへの融資については、ビットコイン購入の制限やChivoウォレットの売却などが条件になっていることが以前から伝えられている。過去には、IMFが同国のビットコインの購入停止を指摘する一方で、エルサルバドルは購入継続を表明するといった相違が確認されたこともあった。
関連: IMF、エルサルバドルのビットコイン購入停止を指摘政府は継続主張
今回のEFFに関する報告では、エルサルバドルのビットコインに関する取り組みについて話し合いが進んでいることが示された。IMFは主に透明性の向上、公的資金の保護、リスクの軽減を求めている。
なお、EFFのレビューとは、融資先に対してIMFが定期的に行う審査のこと。公式サイトによれば、IMFのリソースには段階ごとにアクセスできるようになっており、政策とプログラムの実施状況を定期的に審査している。現在行っているのは2回目のレビューだという。
今回の報告では、他にもポジティブな内容が示された。
例えば、エルサルバドルの経済成長のペースが予想よりも速いことを指摘。この背景には信頼感の回復、記録的な送金、活発な投資があると説明した。
また、実質GDP(国内総生産)が2025年に約4%に到達することが予想されるとも指摘。さらに、実質GDPの2026年の見通しも非常に良いとした。
2回目のレビューは、今後も完了を目指して両者で密な連携を継続していくと説明している。
なお、エルサルバドルの「Bitcoin Office」のウェブサイトによれば、同国のビットコイン保有数量は本記事執筆時点で7,509BTC(約1,022億円相当)。毎日1BTCの増加が継続していることが示されている。
関連: エルサルバドル、下落局面で約155億円相当のビットコイン押し目買い保有高は7474BTC