米商品先物取引委員会(CFTC)は11日、仮想通貨の「現物引き渡し」に関する2020年のガイダンスを撤回すると発表した。
キャロライン・ファム委員長代行は、同ガイダンスが「時代遅れで過度に複雑」であり、仮想通貨業界のイノベーションを阻害していると指摘。
トランプ政権が進める仮想通貨フレンドリー政策の一環として、規制の簡素化と市場の現状に即した新たなガイダンスの策定を進める。
2020年に導入されたガイダンスは、レバレッジや証拠金を利用した仮想通貨取引において「現物引き渡し」が成立する条件を定義していた。
具体的には、購入者が取引から28日以内に仮想通貨の完全な所有権と管理権を取得し、いかなる取引所でも自由に使用できる状態にすることを求めていた。この条件を満たさない取引は、CFTC規制下の先物取引所での取引が義務付けられていた。
しかし、導入から5年が経過し、カストディ慣行の発展やトークン化市場の成長により、同ガイダンスは現在の市場実態と乖離していると判断された。
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CFTCは12月に入り、仮想通貨関連の規制整備を相次いで推進している。
8日にはビットコイン、イーサリアム、USDCを証拠金として利用可能とするパイロットプログラムを開始したほか、連邦規制下で初めてとなる仮想通貨現物取引を承認した。
デリバティブ取引所のビットノミアルは、来週から現物取引、パーペチュアル契約、先物、オプションをCFTC監督下の単一プラットフォームで提供する。
また、仮想通貨取引所ジェミナイも指定契約市場ライセンスを取得し、予測市場の開設が可能となった。
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