金融大手ブラックロックによるビットコイン( BTC )現物ETF「IBIT」から、11月28日までの5週間で27億ドル(約4,200億円)以上が流出した。5週連続での流出超過は上場以来最長となる。
その後、12月1日と4日も流出が超過しており、IBITは6週連続の流出となる見込みだ。IBITはビットコイン現物ETFの中でも一番資金を集めている製品である。
米トランプ大統領による対中関税発言などが市場に影響を与えた10月10日以降、IBIT含め、米国のビットコインETF12銘柄全体から資金が流出している傾向にある。
グラスノードは、3日の週間市場レポートで、米国のビットコイン現物ETFへの資金流入は3日平均で11月を通してマイナス圏だったと指摘。この資産への新規資本割り当ての冷え込みを反映していると述べた。
また、ビットコインの価格は外的ショックやマクロ要因によるボラティリティ(価格変動)の影響を受けやすくなっていると分析している。
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ブラックロックの事業開発ディレクター、クリスティアーノ・カストロ氏は先週、ETFからの資金流出については楽観的な見方を示した。
ビットコインETF「IBIT」が同社の最も強力な収益源の一つになったと述べ、この製品が急速に台頭したことは「大きな驚き」だったと述べている。また、ETFは非常に流動性が高く、強力な金融商品だとして次のように続けた。
IBITの運用資産額は3日時点で約720億ドル(約11兆円)である。10月ピーク時の約960億ドルからは減少しているところだ。
ブラックロックは11月、デラウェア州法定信託に「iShares Staked Ethereum Trust ETF」を新たに登録している。これはステーキング要素の付与されたイーサリアム( ETH )ETFだ。
ETF発行者は、まずデラウェア州法定信託の形で製品を登録し、その後、米証券取引委員会(SEC)へ登録届出書を提出することが多い。ブラックロックはステーキング要素を付与したイーサリアム現物ETFの立ち上げも念頭に置いているとみられる。
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