韓国最大の仮想通貨取引所アップビットで27日にハッキングが発生し、入出金が停止された後、一部のソラナ系トークンで大幅な価格乖離が発生した。オルカ(Orca)は国際価格の1.46ドルに対してアップビットで2.21ドルと約51%のプレミアムを記録した。
アップビットは同日午前4時42分、ホットウォレットで異常出金を確認し、ソラナ系を中心とする24銘柄が外部ウォレットへ送金された。流出額は発生時点の時価で約445億ウォン、約48億円に上る。同社は直ちに全ての入出金サービスを停止した。
入出金停止により取引所間での資産移動が不可能となり、裁定取引の機会が閉ざされた。アップビット上では供給が凍結される一方で国内需要は依然として強く、パニック買いが価格を押し上げる形となったと指摘されている。
キムチプレミアムはソラナ系資産で最も顕著に現れている。レイディウム(Raydium)はバイナンスと比較して約48%のプレミアムを示し、メテオラ(Meteora)は国際価格の0.355ドルに対してアップビットで0.5ドルで取引されている。
「キムチプレミアム」とは韓国の取引所と国際的なプラットフォーム間で生じる仮想通貨の価格差を指す。裁定取引の機会が制限されることや国内需要の強さ、資本移動の制約などにより発生する現象だ。
今回の極端なキムチプレミアムに関しては通常サービスが再開されれば価格は急速に正常化する可能性が高い。
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アップビットは流出した資産の全額を同社の資産で補償する方針を明らかにした。流出資産にはSOL、BONK、JTO、JUP、LAYER、ORCA、PYTH、RAY、RENDERなどソラナエコシステムの主要トークンが含まれている。
同社は現在プロジェクトや関係機関と連携して追跡と追加凍結の作業を進めている。
また、韓国金融監督院の仮想資産監督局はアップビットへの現地検査を開始した。検査は来週金曜日まで続く見通しだ。アップビットを運営するドゥナムの代表は会員資産の保護を最優先とし、より強化されたセキュリティ体制のもとでサービス提供に最善を尽くすと表明した。
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