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ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI

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*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

仮想通貨ビットコイン( BTC )は11月5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。背景には、ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFi(分散型金融)プロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げたことがある。

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成行注文の動向をみると、節目である10万ドルを割り込んだ直後に、現物の買いを中心とした上昇が確認された(下画像青枠)。これはショートカバー(売り方の買い戻し)による動きに加え、ステーブルコインへの信用不安を背景に、一時的にビットコインなど暗号資産への退避が進んだことが要因と考えられる。ただし、CMEの取引時間終了後は再び売りが先行し、上値の重い展開となっている(下画像赤枠)。

オーダーブック(板情報)を分析すると、現値より上にも下にも厚い板が存在しない状態にあり、流動性の薄さからボラティリティは高まりやすい環境にあるといえる。

主要アセットクラスとの相関関係をみると、観測期間2か月でS&P500が-0.11、Nasdaq100が-0.15、金(ゴールド)が-0.13、原油が+0.19となっており、株式やゴールドに対して緩やかな逆相関関係を示している。全体としてビットコインは他資産と独立した値動きを形成している状況である。

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今回の10万ドル割れの背景には、USDXの担保不足によるデペッグおよび一部DeFiの機能不全がある。これは2022年に発生した「テラ・ルナショック」の縮小版ともいえる構図であり、信用不安という観点では、5日の下落局面で主因とされたMEXCやBalancerへの不信感と類似している。ビットコインは現在、いずれの主要アセットクラスとも連動しない独自の相場を形成しており、これは内在的リスクを抱えていることが理由に挙げられる。

USDXのデペッグや関連DeFi・CeFiへの信用問題は、構造的な課題を内包しており、波及リスクは依然として高い。ステーブルコイン不信が強まる局面では、一時的にビットコインが「相対的安全資産」として買われる場面も見られるが、テラ・ルナショック時のように発行体や関連企業が経営破綻に至った場合、保有資産の売却が連鎖的な下落を引き起こす可能性がある。市場は引き続き、この動向を慎重に注視する必要がある。

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