米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米連邦準備制度理事会(FRB)のミラン理事は8日、ニューヨークで開催されたBCVCサミットで、ドル裏付けステーブルコインを「巨大な成長分野」と評価したとThe Blockなどが報じた。ミランはFRB理事として初めて仮想通貨について公の場で発言し、「予測を見る限り、絶対に無視できない存在だ」と話した。
ミラン理事はサミットでの演説で、ステーブルコインの広範な利用が金利に下方圧力をかける可能性があると指摘した。「比較的保守的なステーブルコイン成長の推定でも、経済における貸付可能資金の純供給が増加し、自然利子率を押し下げていく」と説明し、自然利子率が低下すれば、健全な経済を支えるために政策金利も低くすべきだと述べた。
一方、合成型・アルゴリズム型ステーブルコインの一部は深刻な危機に直面している模様。ステーブル・ラボが発行する合成型ステーブルコインUSDXは7日に大幅なデペグ(1ドルとの乖離)を起こし、一時0.6ドル未満で取引されていた。今も0.66ドルで取引されており、1ドルの価値を回復していない。
USDXはデルタニュートラルヘッジを用いてペッグを維持する設計だが、11月3日のバランサー(Balancer)攻撃による1億2,800万ドルの被害が影響した可能性がある。
オンチェーン融資プロトコルのリスタDAOとバイナンス支援の分散型取引所パンケーキスワップは昨日、状況を監視中またはリスク削減に取り組んでいると声明を発表した。リスタDAOはMEVキャピタルのUSDTボールト(金庫)とRe7ラボのUSD1ボールトで担保資産が異常に高い借入金利に直面していると説明した。借入金利が高まると、借り手は利息の積み上がりで担保比率が急落し、強制清算されるリスクが高まる。
影響を受けたステーブルコインの大半は、USDTやUSDCのような法定通貨裏付け型ではなく、リスクの高い相互連結システム上に構築された合成型、アルゴリズム型、利回り型のDeFiネイティブ設計だった。バランサー流出はオイラー(Euler)、モルフォ(Morpho)、リスタ(Lista )全体で流動性枯渇を引き起こしたと見られている。
DeFiエリクサー(Elixir)は7日、今週初めのストリーム・ファイナンスの強制清算による損失を受け、合成ドルステーブルコインdeUSDの廃止を決定した。ストリーム・ファイナンスは4日に外部ファンドマネージャーが9,300万ドルの損失を開示した後、出金を停止した。同プロトコルは各貸し手に対し少なくとも2億8,500万ドルの債務を抱え、エリクサーへの債務は6,800万ドル超に達した。ストリームが発行するxUSDステーブルコインは現在0.098ドル未満で取引されている。
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