マスターカードCEO「AIエージェントとステーブルコインが新成長軸」、決算報告
決済大手マスターカードは30日、2025年第3四半期(7~9月)の決算を発表した。マイケル・ミーバッハCEOは、AI(人工知能)エージェント型コマース、ステーブルコインを新たな成長の鍵として語っている。
純収益は前年同期比16.7%増の86億200万ドル(約1.3兆円)。1株当たり利益(EPS)4.38ドルで、アナリストの事前予想4.32ドルを上回った。特に、付加価値サービスとソリューション部門の純収益が前年同期比で25%増、為替変動の影響を除くと22%増となっている。
ミーバッハ氏はAIエージェントのサービスを進めていることを強調し、次のように話した。
また、Mastercard Agent Payにより、AIエージェントがマスターカードの決済ネットワーク上で安全に取引を仲介できるようになるとも続けた。このサービスには、すでにいくつかのAIエージェントが登録されており、容易にサービスに登録・利用できるようにするツールも備えていると述べる。
マスターカード公式サイトによると、Mastercard Agent Payは、会話型のAIプラットフォームで既に提供されている、それぞれの個人や企業に向けた助言や洞察に、信頼性のある決済体験を統合するものだ。
たとえば、ある女性が自分の誕生日パーティーを計画している時に、AIエージェントにチャットで助言を受けながら、自分の好みや会場の雰囲気、天気予報などに基づいて、小売店から服やアクセサリーを選ぶことができる。
AIエージェントは、利用者の好みや意見を受けて購入手続きを行い、最適な支払い方法も提案する。また、企業もAIエージェントを活用して調達、支払い条件の最適化、国際的なサプライヤーとの間の物流管理を行うことが可能だ。
ミーバッハ氏は消費者向け・企業向けを問わず、AIエージェント技術を活用したサービスの成長余地は非常に大きいとも述べている。
関連: AIエージェントとは?仮想通貨とウォレットで広がる可能性
ミーバッハ氏はステーブルコインについても言及。新たな成長エンジンであり、マスターカードの決済ネットワークが成長を続ける機会だと述べた。年初来で、ステーブルコインや暗号資産(仮想通貨)による取引は25%増加していると表明している。
ミーバッハ氏は、送金のための一連のサービス「Mastercard Move」にステーブルコインを導入し、決済、送金、B2Bのユースケースを提供していると話した。
ステーブルコインによる事前資金調達から、世界中へのステーブルコインの送金までを網羅しており、受取人は資金を現地の法定通貨またはステーブルコインで受け取ることができると続けている。
先日、マスターカードが仮想通貨・ステーブルコインのスタートアップ企業Zerohash(ゼロハッシュ)を最大20億ドル(約3,080億円)で買収する交渉を進めていることも報じられたところだ。
関連: マスターカード、仮想通貨インフラ「ゼロハッシュ」を最大3,000億円で買収交渉中か=報道
バンクマン=フリード被告のXアカウント、「FTXは破産していなかった」とする文書を公開
破綻した暗号資産取引所FTXの創設者サム・バンクマン=フリードが「FTXは破産していなかった」と主張。収監中の身ながら、X上で14ページの反論文書を公開した。...
コインチェック、『Eternal Crypt - Wizardry BC -』関連NFT取扱い終了へ
Coincheckは、ブロックチェーンゲーム『Eternal Crypt - Wizardry BC -』のサービス終了に伴い、NFTコレクションの取扱い終了とBCトークン購入の一時中止を発表しました...
RWAトークン市場、2028年に約60倍拡大予測「大部分はイーサリアム上で」=大手銀行分析
スタンダードチャータード銀行がステーブルコインを除く実物資産トークン化市場が2028年までに現在の350億ドルから2兆ドルへ約60倍拡大すると予測した。マネーマーケットファンドと上場株式が市場を牽引す...

