資産運用大手ティー・ロウ・プライスが仮想通貨ETF市場に参入へ BTCなど複数銘柄へ投資
資産運用大手ティー・ロウ・プライス(T. Rowe Price)は22日、暗号資産(仮想通貨)ETFの申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。
このETFが行うのは現物投資のみで、レバレッジを利用したり、デリバティブ投資を行ったりはしないと説明している。投資対象はビットコイン( BTC )やイーサリアム( ETH )、 XRP 、ソラナ( SOL )などの時価総額が高い銘柄が含まれる。
ティー・ロウ・プライスは1937年に米国で創設された老舗企業。運用資産残高(AUM)は、1.77兆ドル(約270兆円)にのぼる。
今回申請したETFの名称は「T. Rowe Price Active Crypto ETF」。これは、既存のビットコイン現物ETFなどと同様に1933年証券法に基づく金融商品で、NYSE Arcaへの上場を計画している。
商品名からもわかるように、このETFは、同社の強みであるアクティブ運用型。アクティブ運用とは目安となる指数(ベンチマーク)を上回る成績を目指す投資方法である。
このETFが目安とする指数の名称は「FTSE Crypto US Listed Index」。この指数に含まれる仮想通貨が時価総額トップ10の銘柄だ。運用では、1年以上をかけて指数を上回るように目指すという。
一方で、指数を上回る成績を目指すため、指数で決まっている比重とは異なる割合で資金を配分したり、指数を構成している銘柄以外の仮想通貨に投資したり、指数の構成銘柄に投資しないようにしたりすることなどもあると説明した。
それでも資格を満たした仮想通貨だけに投資するとしており、今回の申請書類を作成した時点では、上述した4銘柄やアバランチ( AVAX )、ドージコイン( DOGE )など14銘柄が対象になる見込みだとしている。
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ティー・ロウ・プライスの仮想通貨ETF申請を受けて、「NovaDius Wealth Management」のプレジデントであるネイト・ジェラシ氏はXで、ポイントは「老舗の資産運用企業が、仮想通貨戦略のようなものの実践方法を急いで見つけようとしていることだ」と指摘した。
そして、「こういった企業の多くは実際にETFブームに乗り遅れたため、仮想通貨で同じ失敗をしたくないのだろう。仮想通貨が消えてくれるのを待つことは良いビジネス戦略ではない」とコメントしている。
また、「ブルームバーグ」のETFシニアアナリストであるエリック・バルチュナス氏は少し驚いたようにXでティー・ロウ・プライスの仮想通貨ETF申請を報告した。
そして、「ティー・ロウ・プライスは資産規模でトップ5の資産運用企業である」とし、「申請を予想していなかったが理解はできる。この分野でもこれから土地(ETFの市場シェア)の奪い合いが起きるだろう」とコメントしている。
なお、米国の仮想通貨ETFは、政府の閉鎖が継続しているため審査結果が出るのが通常よりも遅れる見通しだ。
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