米アップルが米国時間3日、米証券取引委員会に提出した年次報告書で、従業員が業務で知った自社や取引先の機密情報を使い、予測市場で取引することを禁じる社内規定を明らかにした。規定は10月に改定したインサイダー取引防止規定に加えたもので、行為がインサイダー取引や証券取引に当たるかどうかにかかわらず禁止すると明記した。
予測市場は、将来の出来事の結果に応じて払戻額が決まる契約を売買する場で、選挙結果やスポーツの勝敗に加え、決算説明会で特定の語が発言されるかも取引対象になっている。予測市場のポリマーケットには、アップルが日本時間3日の決算説明会で「iPhone」を10回以上言及するかを予想する市場や、折りたたみ式iPhoneの発表価格を予想する市場が設けられた。
規定は契約の売買だけでなく、参加者や参加する可能性のある人物への機密情報の提供も禁止し、従業員と役員、契約社員を対象とした。取引先の情報も対象で、規定はサプライヤー、製造会社、納入業者、携帯通信事業者を含む顧客を例示した。
複数の報道によると、規定が証券取引に限られない点を巡っては、予測市場は商品や地域によって法的な位置付けが異なり、取引が証券取引に当たるかが不確実だ。アップルの規定は、プラットフォームの法的な分類ではなく、使われた情報と従業員の行為を基準とするため、規制当局の判断や裁判所の判決を待たずに社内で処分する根拠になる。
一方、米国の主要な予測市場も利用規約で機密情報を使った取引を禁じているが、実効性の確保が課題になってきた。