ドメイン登録事業者Name.comで登録されたDeFi(分散型金融)関連サイトなど15件のドメインが10月30日、不正にリダイレクトされた。The Blockが31日に報じた。
ブロックチェーン・セキュリティ企業Blockaidは30日、Flap、Kintsu、Pickle Finance、Origami Financeなどが乗っ取られ、訪問者の暗号資産(仮想通貨)ウォレットから資金が抜き取られたと報告している。
これらのDeFi関連ウェブサイトは、すべてドメイン登録事業者Name.comを利用して登録されたものだった。Name.comは31日、影響を受けた顧客ドメインは15件であり、一時公開停止後現在は復旧済みだとしている。
また、各ドメインの登録者と直接連携して対応を進めているところだと続けた。引き続き調査を行うとともに、対象となったアカウントを保護するための措置を講じたとも述べる。
10月30日の遅い時間帯に、同プラットフォームを通じて登録された複数のドメインが別の場所へリダイレクトされる不正な動きを確認したという。これは訪問者のウォレットにアクセスすることを目的としたものだったとも指摘した。
Webサイトやアプリのホスティング・デプロイを提供するクラウド企業Vercelは、ドメインサービスの登録事業者にName.comを採用している。同社のセキュリティ情報によると、影響を受けたドメインのうち10件が同社プラットフォームに関連するものだった。
現時点では、ハッキングがName.com側・Vercel側・両者の連携部分のどこで起きたのかは確定していない状況だ。
Blockaidによると、乗っ取られたサイトには「Step Drainer」と呼ばれるマルウェア・ツールキットが仕込まれていた。このツールは、ユーザーがサイトにウォレットを接続した際、ウォレット内の資産を外部へ送金するよう承認させるものだ。Kintsu、Origami、FluxBeam、StonkFunはコントラクト自体への被害はないと説明している。
The BlockがEVM(イーサリアム仮想マシン)互換チェーン上で追跡した分では、約13万8,000ドル(約2,200万円)の盗難資金が3つのウォレットに流入していた。
一方で、被害を受けたサイトのうち、FluxBeam、StonkFun、StakePointの3つはソラナ( SOL )上で、Echelonはアプトス(APT)上で構築されており、それらについてThe Blockは調査していない。これらのネットワークでも損失が発生している可能性がある。
別途、ブロックチェーン分析企業Bitqueryは被害額はEVM系だけで約20.2万ドル(約3,200万円)と推算している。これは攻撃者ウォレットに流入した残高に加えて、Kintsuのアンステーク待ちキュー内の資金なども加算したことによるものだ。
Kintsuはモナド上のステーキングアプリで、攻撃者は被害者から奪ったステーキングトークン「sMON」(約5.66万ドル相当)のアンステークを申請した。Bitqueryによると、31日夕方(UTC)時点で受け取りの手続きは行われておらず、資金はKintsuのコントラクト内に残っていた。Bitqueryは、Kintsu側で申請を保留・取り消しできる仕組みがあれば、この資金の流出を止められる可能性があるとしている。