米通貨監督庁(OCC)は26日、「米国ステーブルコインのための国家イノベーションの指針および確立に関する法律(ジーニアス法)」を土台として、決済用ステーブルコイン関連機能の開発をコミュニティ銀行(米国の中小・地域密着型の銀行)に呼びかけた。
銀行またはその子会社が、認可された決済用ステーブルコイン発行体となるための申請を検討することが推奨されるとしている。これは、OCCによるコミュニティ銀行の規制・監督の見直しである「コミュニティ銀行復活」イニシアチブを補完するものだとも述べた。
OCCは21日に、決済用ステーブルコイン規制法「ジーニアス法」について最終規則を発表したところだ。この最終規則はジーニアス法の施行日と同じ2027年1月18日に効力を持つ予定である。
規則はステーブルコインの発行体、海外のステーブルコインの発行体、OCC監督下の事業体が行う一部のカストディ業務に求める要件などを定める内容だ。
ジーニアス法では、発行者自体がステーブルコインに対して利回りや利息を提供することを禁じている。一方で、米国銀行協会(ABA)などは、ステーブルコインは取引所など仲介業者を通じて流通するため、これらの業者が間接的に利回りを付与する可能性があると指摘していた。
この点、OCCは最終規則の中で、「決済用ステーブルコインはまだ黎明期にある市場であり、現時点で利回り禁止規定に関して『反証可能な推定(違反の疑いがあると推定すること)』を導入するのは適切ではない」と述べている。
「反証可能な推定」は、ステーブルコイン発行体が関連会社や関連する第三者に利息・利回りを支払う契約などを結んでおり、かつその相手がステーブルコイン保有者に対して、保有・利用・保持のみを理由に利回りを支払う契約などを結んでいる場合に、発行体が利回り禁止規定に違反していると推定する仕組みである。
発行体が「違反ではない」と自ら反証しない限りは、違反扱いになる格好だ。OCCは規則案の段階では入っていたこの項目を最終規則では外した。ただしOCCは、回避行為に対処する権限は保持するとしており、ライセンス審査や監督を通じて関連契約を審査する方針だ。
米国銀行協会(ABA)のロブ・ニコルズ会長兼CEOは、OCCが「反証可能な推定」を外したことについては同意できないと表明している。ステーブルコイン発行者が、法律上の禁止事項を回避しつつ、間接的に同等の利回りを提供することが可能になると懸念する形だ。
ニコルズ氏は「米国経済の原動力である銀行融資の原資を脅かすことにもなりかねない」とコメントしている。
米国の従来型銀行は、ステーブルコインに利回りが付与されることにより、銀行預金からステーブルコインへと利用者の資金が流出する恐れがあると以前から論じてきた。間接的利回りについては、クラリティー法案の焦点の一つにもなっている。