暗号資産(仮想通貨)分析企業のクリプトクアントは8日、週間市場レポートを発表。ビットコイン( BTC )が初期の強気相場に入ったことで、マイニング事業者(マイナー)による売り圧力が和らいだと見解を述べた。
ハッシュレート(計算能力)、収益、採算性がそろって回復し、これまでの弱気相場で続いたマイナーへのストレスは薄れつつあり、ビットコインには追い風となっていると指摘した。
まず、ネットワークのハッシュレートは7月28日に過去最高値から最大18%下落し、7月31日には899 EH/sで底を打った。8日時点では962 EH/sまで戻り、下落幅は最高値から13%に縮小している。
この低下は2025年末の価格下落でマイナーの利益が圧迫されたことが発端だった。回復は、マイナーが停止させていた一部のマシンを再稼働させ、投げ売りよりもハッシュレート拡大に転じたことを示すものだ。
ビットコインは7月に5万8,000ドルで底を打ち、その後約45%上昇して、8日時点で8万3,000ドルを超えた。この期間中に、マイナーの1日あたりの総収益は2,700万ドルから4,800万ドルへと78%増加している。
また、7日間平均の手数料収入も19万5,000ドルから27万5,000ドルへと増加。5月から8月にかけての「極めて低い報酬」の状態から、ビットコインが7万6,000ドルに達した8月21日以降、「適正な報酬」の状態へと移行した。ただし手数料収入は2025年半ばの40万〜80万ドルには届かず、収益はなおブロック報酬に大きく依存している。
8月21日以降、マイナーによる極端な資金流出(売却)も見られなくなっている。また、サトシ時代(ビットコイン初期からのマイナー)による直近の資金流出(9月は約600 BTC)は、1月の約2,000 BTCの3分の1程度にとどまっている。
大手マイナーの保有残高も安定。100~1,000 BTCを保有するマイナーのアドレスの残高は、ピーク時だった2025年12月の平均6万4,000 BTCから弱気相場での売却で20%減少したが、9月初旬からは約5万1,000 BTCでほぼ横ばいで維持されている。
クリプトクアントは、収益の回復に伴って、大手マイナーが保有ビットコインの取り崩しを停止したことを示唆していると分析した。一方で、まだ保有量を積み増す動きには至っていないとも指摘した。
クリプトクアントは、残高が安定しているということは、今回の弱気相場においてビットコイン価格の重石となっていた売り圧の一つが取り除かれたことになるとした。もしこれからビットコイン積み増しの動きに転じれば、強気相場初期におけるさらなる追い風となるだろうと続けた。